●沖縄の住宅がなぜ台風に強いのか

 台風19号では、関東甲信越地方や東北地方で河川の氾濫や堤防の決壊が相次いだ。

 自治体の出しているハザードマップで浸水しやすさを確認したり、国土地理院のホームページから、元々どんな土地だったのかを調べておくのも役に立つ。私は子どもの頃、埼玉県三郷市に住んでいたことがあるのだが、少しの雨でも浸水しやすかった。それもそのはず、国土地理院の地図によると、かつて川が流れていたところを埋め立てて作られた住宅地だったのだ。

 特にこれから家を買う予定のある人は、ぜひこれらのマップで立地をチェックすることをお勧めしたい。

 とはいえ、今年の15号、19号クラスの台風になると、取れる対策は限られるのが実情である。強烈な台風に毎年見舞われる沖縄では、実は木造の住宅は少なく、大抵は鉄筋コンクリート造りである。耐震については木造でも鉄筋でもあまり変わらないのだが、防風にはコンクリートが圧倒的に強い。また、窓のサッシ回りも頑丈に作ってある。

 一方、本州では、新築住宅の7~8割が木造である。プレハブも十数%のシェアは持っているが、これらは鉄筋コンクリートよりは風に弱い。

 今後、もし沖縄のように猛烈な台風が関東を襲ってくることが当たり前になったら、住宅仕様も変わってくるのかもしれない。