【エンジニアスペシャリストコース】

 4つのコース(ウェブサービス・プラットフォーム開発、データプラットフォーム&サイエンス領域、インフラ、セキュリティ)に揚げた幅広い技術領域に対して、以下のいずれかに該当する実績をお持ちの方で、かつ、特定の領域での業務を特に希望される方向けにエンジニアスペシャリストコースでの選考を設けています。詳細は以下をご確認ください。

必要な経験スキル
■エンジニアリングに付随する起業経験
■技術書の執筆経験
■自身が開発したアプリのDL数100万以上
■Kaggleにおいて、単独参加でコンテストTOP10%入賞経験
■競技プログラミングレート保持者
- Topcoder 2200以上
- AtCoder 2600以上
- codeforces 2200以上
■以下の学問分野におけるトップカンファレンスでの論文発表経験
自然言語処理|音声処理|画像処理|機械学習|情報検索|レコメンデーション|コンテキストアウェア|HCI(ヒューマン・コンピューター・インタラクション)|分散コンピューティング|データベース|HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)|仮想化技術|統計モデリング|セマンティックウェブ
■上記に準ずる経験

※ヤフー株式会社 採用サイトより引用

 かなりハードルは高いものの、新卒に限らず既卒で就業経験のない人(応募時30歳以下かつ入社時18歳以上)もOKということなので、IT技術者を目指す人にとってはかなり魅力的な制度ではないだろうか。同じようなことは、他のIT企業でも実施され始めている。「大卒初任給と言えば20万円程度」といった横並びスタイルが、いつまでも日本の常識であり続けるとは考えない方がいいだろう。

 ただし、高い初任給で極めて優秀そうな学生を採用したとして、「もし仕事ができなければどうすればいいのか」という企業側の心配は残る。シリコンバレーなら「はい、さようなら」で済むかもしれないが、解雇規制の厳しい日本ではそう簡単にもいかない。既存社員の不満も募る。やはり、そのような人材は特別社員として、一定期間で成果を求める雇用契約にするのが妥当だろう。

 むしろ、こうした「ポジティブな格差」こそが、高度人材と企業とのあるべき関係であるように思える。中国の通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の日本での初任給が、40万円以上だと話題になった。うかうかしていると、能力がトップクラスの学生は日本企業に入社しないという時代が来るかもしれない。

 現在就活中の学生たちも、企業の採用担当者も、こうした世の中の変化をよく意識するべきだ。

(株式会社新経営サービス 常務取締役 人事戦略研究所所長 山口俊一)