このような状況に陥ってしまったEさんが今後できる対策は、控除による還付額を減らすことを覚悟した上で、繰り上げ返済をして毎月の返済額を軽減させるか、住宅ローン返済はそのままにして生活費を圧縮するしかありません。

 住宅ローンを早期に返済したいEさんは、妻に状況を話して生活費を圧縮することにしました。もちろん、子どもたちにも事情を話し、協力をしてもらうようお願いしました。貯蓄は今以上に減らさない、可能であれば少しずつ増やしていくことを目標に努力しているようです。

 このように、他人がよいと言ったものをきちんと理解せず、簡単に信用してしまうのは失敗の元です。実際に行動に移すなら、メリットだけでなく、リスクもしっかり見据えて取り組まなければ、大失敗に繋がりかねません。

 しかも、購入資金がなくて全額ローンを利用するケースと違い、頑張って貯めた大事なお金の使い道なのです。しっかりと勉強して知識を身につけ、無駄にしないよう気を付けましょう。(家計再生コンサルタント・横山光昭)