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第33回 ニッポンヒャッカテンを支える女子力

文・鈴木正晴

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突破力が魅力の、しょくひんかんのウメノ(写真奥)

突破力が魅力の、しょくひんかんのウメノ(写真奥)

お酒のことを語らせたら天下一品の、菊水酒造のイチムラさん

お酒のことを語らせたら天下一品の、菊水酒造のイチムラさん

毎日お弁当販売に来てくださるウラさん

毎日お弁当販売に来てくださるウラさん

「ニッポンヒャッカテンさんはカワイイ人ばっかりですね!社長の趣味ですか?」とよく聞かれます。隣の芝は青いとはまさにこのこと。当社には男子もいるのですが、「女の子ばっかり!」と言われることが多いのは、仕事上女子の方が目立つからなのでしょうか。頑張れ男子!

 目立つ女子と言いますと、日本百貨店しょくひんかんという店舗にいるウメノです。彼女の特技は「突破力」。前しか見えないのか!!!というくらい前のめりで進むので時々心配になりますが、ヒトの懐に入り込んでいく、あの人なつこさとスピード感。そして、とにかく形にするという力強さと、時々心を痛めてさめざめと泣く繊細さ。ど根性漫画のようですが、全国にウメちゃんファンは多々おりまして、悔しいことに、私にではなく、ウメノに会いにわざわざ東京まで来る生産者さんが多いのです。

 しょくひんかんは、全国の生産者さんが自身のおいしいスグレモノを、都会のドマンナカから発信!がコンセプトの店舗で、JR秋葉原の駅前に位置します。当社のスタッフはもちろんですが、そこに集まる生産者さんの「女子力」がすごい!

 例えば、蔵元直送の日本酒を販売する、菊水酒造のイチムラさん。日本酒が好きで好きでしょうがなく、東京から新潟に引っ越して、菊水酒蔵に入社。その酒蔵がしょくひんかんの中に直営店を作ることになり、東京に赴任となりました。

 このイチムラさん、お酒のことを語らせたら止まりません。僕らのように詳しい勉強をしていない人間にも分かるように、ポイントをついた紹介をしてくれます。イチムラさんの説明を聞いてお酒を買ったお客さんが、おいしかった!またあのお姉さんのお話を聞きにいこう!となり、リピーター続出。お客様からは「ついつい買ってしまう」、魔の酒蔵と呼ばれています。

 平日、毎日お弁当販売に来てくださるオーガニックキッチンのウラさんは、高校生の息子さんがいらっしゃる主婦なのですが、安心できる食べ物を届けたいと2009年に起業。自身の足でこだわりのお弁当を売り続けています。調味料は昔ながらの製法を用いたものだけに限定し、化学調味料、保存料、着色料は一切使わない。自分たちの目できちんと安心・安全を確認した野菜しか仕入れない。頑固おやじのようなコダワリが、たくさんのお客様をひきつけています。秋葉原というジャンクなイメージが強い場所でも、徐々にファンを増やし、いまでは毎日必ず売り切れています。

 他にも挙げきれないくらいたくさんのステキ女子が、日本百貨店しょくひんかんを支えてくれています。


(更新 2016/2/10 )


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プロフィール

鈴木正晴(すずき・まさはる)

 株式会社日本百貨店・代表取締役社長、ディレクター兼バイヤー。1975年神奈川県生まれ。1997年東京大学教育学部卒業後、伊藤忠商事株式会社に入社。アパレル関連の部門で、海外とのビジネスを多く経験する中で、国内の“モノ づくり”文化に根差したすぐれものをより広いマーケットに広める一助となりたいと考え、2006年3月伊藤忠商事を退社。2006年4月に株式会社コンタン(現・株式会社日本百貨店)を立ち上げる。2010年12月には東京・御徒町に、日本の優れものを集める小売店“日本百貨店”を オープン。食・雑貨・衣料雑貨など、全国から様々なこだわりの商材を集め、作り手と使い手の出 会いの場を提供している。著書に「日本百貨店」(飛鳥新社 2012/12)