第1372回 「別宅」で寝てくれたちゃちゃ 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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第1372回 「別宅」で寝てくれたちゃちゃ

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ちゃちゃ(森さん提供)

ちゃちゃ(森さん提供)

 訳あって、冬の間だけ隣家の外猫、ちゃちゃ(写真、雌)の世話をしている。10歳は超えているだろう。外猫にしては長生きだ。

 昨冬までは、隣家のデッキに設置されたちゃちゃ用のハウスまで朝晩2回食べ物を運んでいた。寒さに耐えるには食事が命綱だ。大雪でも強風でも欠かせない。

 彼女がそこにいない場合は呼んで帰ってくるのを待つ。食べ物を置いていくと他の野良猫に食べられる恐れがあるからだ。なかなか帰ってこないと寒さの中じっと待つしかない。それでも帰ってこないと出直しだ。荒天時にはかなりこたえる。

 そこでちゃちゃを夏のうちから手なずけ、わが家に来ると食べ物がもらえると覚えてもらう作戦をたてた。

 今冬は異例の暖冬になったので雪はほとんど降らず、助かった。さらに夏の作戦が功を奏し、ちゃちゃが朝晩わが家に食べに来るようになった。せっかく来てくれるので、わが家のデッキにもブルーシートでハウスを作った。いわば別宅だ。

 食べ物をハウスの中に置き、入るように仕向けたが、食べには入るものの、用心深くてなかなか一夜を過ごしてはくれない。

 段ボールとビニールで日向ぼっこ用の箱も作って置いてみたが、こちらも警戒してなかなか入らない。

 だが、世話を始めて2カ月が過ぎ3月に入ると、やっとハウスで寝てくれた。ある朝、彼女があくびと伸びをしながらハウスから出てきた時は思わずバンザイと心のうちで叫んだ。ビニールの箱で昼寝もしている。

 やっと本当の意味でちゃちゃは、この家は大丈夫だと心を許したのだろう。

 わが家の家猫3匹と窓ガラス越しに対面するちゃちゃを見ながら、4匹目の猫になってしまっては負担が増えるなと、うれしいような厄介なような複雑な心境が深まるばかりだ。

(森隆政さん 栃木県/68歳/無職)

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(更新 2020/5/ 7 )


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