- コラム・小説
- 記事
12年前、わが家にやって来たチュー子(写真、雌)です。ネズミ顔だったので、こんな名前になりました。
子猫のときに外から網戸にへばりつき、中に入れて~と鳴きました。家にはすでに2匹の拾い猫がいたので、うんと迷った末に家族の一員として迎えました。
チュー子は幼いころからミルク好きで、私がアイスクリームやヨーグルトを食べていると、いつの間にやら足元に寄ってきます。
かつて先輩猫たちがいたころは食事どきも遠慮がちで、残った餌をゆっくり食べる子でした。今も餌に飛びつくことはなく、食も細くて、私をうらやましがらせるくらいにスリムです。
チュー子のたった一つの短所は、私たち夫婦以外の人に警戒心がとても強いこと。訪問者の姿がある間はおろか、声が聞こえている間も全く姿を見せません。無理に抱いて連れてくると、「ア~ウ~ア~ウ~」と悲しそうに鳴きだします。だからチュー子の存在は、写真だけで知る人がほとんどです。
不思議なことにチュー子は夫の足音を聞き分け、早くから玄関で待っています。チュー子が玄関のほうに移動したら、もうすぐ帰宅の合図なのです。
先輩猫たちが天国に旅立って一人天下になった今、チュー子の楽しみは、私たちの就寝タイムを見計らって、家中を走り回りながら、なぜか途中にある戸棚という戸棚を開けることです。時には天袋によじ登り、ガサゴソやっています。
思いっきり運動した後は、寒いころは布団にもぐり込んできて手枕で、夏場は足元の布団の上で眠ります。
一日の終わりに、のどを鳴らすグルグルを聞きながら、シルキータッチの毛をなでるときが私の幸せタイムです。この安らかな時間が少しでも長く続きますようにと願いながら──。
あわせて読みたい
別の視点で考える
特集をすべて見る
この人と一緒に考える
コラムをすべて見る
カテゴリから探す
-
ニュース
-
教育
-
エンタメ
-
スポーツ
-
ヘルス
-
ビジネス