わたしにかまいながらも、しっかり、他のお客さんもフォローしている。

 もっとも、サンドバックとか、ひとりでトレーニングできるものも多いので、放っておかれてもまったく気にならない。

 いつのまにか真剣になってやっている。

 そして、めっちゃ汗をかいている。

「リングに上がってみますか?」

「いいんですか!?」

「もちろん!」

 生まれて初めてのリング。

 相手をしてくれるのは、インストラクターの彼。

「バシッとたたいてください」

「はい」

 めっちゃ、いい音が鳴る。

 快感!

 すっかりはまってしまった。

 思わず入会。

 なぜ、アイドルや女優さんたちがはまるのかわかった。

 気分がスッキリするうえに、ダイエットになるなら一石二鳥。

 それだけじゃない。

 ジムに来ている男性たちもみんなイケメンばっかり(笑)。

「大谷さん、お茶しましょう」

 と、終わってからお茶を飲みに。

「こんな楽しい世界があったんだ!」

 どのスポーツをやっても続かなかったわたし。

 でも、ボクシングだけは絶対続けられそう。