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第49回 最期のお金について考える

文・大谷由里子

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マンガ/上大岡トメ

マンガ/上大岡トメ

連載が本になりました!1月20日発売です『ごきげんで生きる48の方法』

大谷由里子著/イラスト・上大岡トメ
定価:1,404円(税込)

978-4022513335

amazonamazon.co.jp

 わたしの祖父母は、孫や父母のために、あるだけお金を使った。

 それだけでなく、自分が欲しいものも、ちゃんと買っていた。

 そんな祖父母の口癖は、

「葬式代だけは、ちゃんと残している」

「生きているうちに誰かのために使ったら『ありがとう』って、言ってもらえるけれど、死んで残していても、『ありがとう』って言ってもらってもわからへん。そんなのイヤやわ」

 気前良くて、明るい祖父母だった。

 そんな祖父母だから、わたしもわたしの家族も長生きしててほしかった。

 寝込んでも、ボケても、「早く死んでほしい」なんて、誰ひとり思わなかった。

 それどころか、

「全部、わたしらに使ってくれても、葬式くらいあげてあげるよ」

 なんて言って、笑っていた。

 どうもその血筋なのか、母も言う。

「葬式代は残しているけれど、預金は、あんたらのために使ったわ」

 そして、いつでも気前が良い。

 自分には、そんなにお金を使わないけれど、孫やわたしたち兄弟のためには使ってくれる。

「お金なんて、持って死ねないし……」

「ボケたら、適当に財産処分して、看病して」


(更新 2016/1/26 )


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プロフィール

大谷由里子(おおたに・ゆりこ)

 1963年奈良県生まれ。京都ノートルダム女子大学を卒業後、吉本興業に入社。故・横山やすし氏のマネージャーを務め、宮川大助・花子、若井こずえ・みどりなどを売りだし注目を集める。2003年、研修会社の志縁塾を設立。「笑い」を取り入れた「人材育成研修」は、NHKスペシャルなど多くのメディアで話題となっている。 現在は、年間300を超える講演・研修をプロデュース中。主な著書に『仕事で大事なルールは吉本興業で学んだ』(こう書房)、『はじめて講師を頼まれたら読む本』(中経出版)など多数。