公演中止のお知らせと、被災地への祈り

中島かずき
 3月11日の地震が起きた時、僕は自宅にいました。
 新感線の制作のS女史と電話していて最初は「あ。揺れたね」などと呑気にしていたのですが、だんだん大きくなり長く続くので、電話を切って、揺れに対処しました。
 携帯は不通になりましたが、たまたま子ども達も自宅にいたし、家内とも比較的早くPCメールで連絡がつき、会社にいることがわかり、とりあえず家族の無事は早めに確認出来ました。
 かなり大きな地震だとは思いましたが、テレビで東北地方の津波の映像を見て、改めて規模の大きさに愕然としました。
 その後も家内とは携帯は通じませんでしたが、メールでやりとりをし、その日は会社に泊まることを確認し、子ども達と三人で夕食を取り早めに就寝しました。
 まだ、その時は、ここまでの事態になるとは想像していませんでした。

 一夜明けて、テレビを見て、改めて事の重大さを認識しました。
 大津波による被害の悲惨さ。
 福島の原発の事故。
 日常の生活が、一瞬にして変わるということを実感しました。

 その前日、3月10日に、『戯伝写楽』という芝居の幕を開けていました。
 この公演をどうするかも気になります。
 とりあえず11日、12日の公演は中止にしたと制作から連絡を受けました。
 その後、劇場側とも安全面での確認をし、地震が来たらすみやかにお客さんを誘導出来るようスタッフにも徹底させた上で13日の公演を行いました。役者達にも緊張感があったのでしょう。この日の公演はいい出来でした。
 ですが、翌日から電力不足による輪番停電計画などが明らかになっていき、ちょうど劇場がその予定地域に入っていたこともあり、改めて公演を続行するかを検討しなければいけなくなりました。
 状況がどうなるか、その時点では予測がつかなかったために、17日までの休演を決めました。
 
 そして、今日、改めて『戯伝写楽 --その男、十郎兵衛--』の全公演の中止を決定したとプロデューサー陣から連絡がありました。
 楽しみにされていたお客さん達には大変申し訳ありません。
 続けられるものなら続けたいのは、こちら側も同じです。
 ですが、これだけ不透明な状況です。お客さんのことを考えた時に、無理に公演を続行しないというのも決断だと思います。
 但し、今回中止にはなりましたが、機会を見て再上演したいという気持ちを制作陣は持っています。
 再び『戯伝写楽 --その男、十郎兵衛--』の幕を開けるよう努力していくという強い意志を持ちながら、今回はお客さんとキャスト・スタッフの安全を第一に考えて一旦延期とするということだと聞いています。

 チケットの払い戻しなど、公演中止の詳細につきましては、公式サイトをご覧下さい。
 ご迷惑をおかけしますが、宜しくお願いいたします。

 今はただ、被災された方々に速やかに救援の手が届くことと、これ以上災害が広がらないことを心から祈ります。

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