【米ビルボード・アルバム・チャート】シザ『SOS』通算8週目のNo.1、シャナイア・トゥエイン新作が初登場10位
【米ビルボード・アルバム・チャート】シザ『SOS』通算8週目のNo.1、シャナイア・トゥエイン新作が初登場10位

 シザの『SOS』が通算8週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 2022年12月24日付で1位に初登場した『SOS』は、2月4日付まで7週連続で首位をキープした後、先週TOMORROW X TOGETHERの『The Name Chapter: TEMPTATION』にその座を明け渡したが、今週返り咲き通算8週目の首位を獲得した。その『The Name Chapter: TEMPTATION』は今週3位に順位を下げ、週間ユニットも70%減少の48,000に下降している。

 『SOS』は、今週の集計期間中(2023年2月3日~2023年2月9日) アルバム・ストリーミングが99,000(1%増加)、アルバム・セールスが500(2%増加)、トラックによるユニットも500(8%増加)をそれぞれ記録し、累計100,000ユニットを獲得した。アルバムの週間ストリーミングは1億3,540万回を記録し、初登場から9週連続で10万ユニットと1億回再生を突破している。なお、本作の販売はデジタル・ダウンロードのみ可能で、CDやLP、カセットテープなどのフィジカルはまだリリースしていない。

 女性アーティストのアルバムで首位獲得週が8週を上回ったのは、2020年8月から10月まで非連続で同8週を記録したテイラー・スウィフトの『フォークロア』以来約2年半ぶりで、R&B/ヒップホップ・アルバムにカテゴライズされる作品としては、2016年5月から10月まで非連続で13週を記録したドレイクの『ヴューズ』以来の快挙となる。

 R&B/ヒップホップ・アルバム、R&Bアルバムにカテゴライズされる女性アーティストの作品が8週以上首位を獲得したのは、1993~94年に同8週(非連続)を記録したマライア・キャリーの『ミュージック・ボックス』以来約29年ぶりの記録で、男性アーティストを含むR&Bアルバムとしては、2004年にアッシャーの『コンフェッションズ』が9週を記録して以来の快挙となる(ジャンルの定義はR&B/ヒップホップ・アルバム・チャート、R&Bアルバム・チャートにランクインした作品とする)。

 『SOS』に続きテイラー・スウィフト『ミッドナイツ』(62,000ユニット / 9%減少)も先週の3位から2位に順位を上げ、モーガン・ウォレンの『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』(46,000ユニット / 3%減少)は6位から4位にTOP5復帰した。後者は2021年1月のリリースから2年が経過しているにもかかわらず、TOP10にランクインしている。5位は、メトロ・ブーミンの『Heroes & Villains』(46,000ユニット / 3%減少)が先週の4位からダウンした。

 今週6位にはザ・ウィークエンドの『ザ・ハイライツ』が先週の41位からジャンプアップして、1月28日付以来3週ぶりのTOP10入りを果たした。

 『ザ・ハイライツ』は過去のヒット曲を中心に構成されたベスト・アルバムで、オリジナル・アルバムと本作のどちらにも収録された曲のポイントはその週アクティビティが多い方に割り当てられる。今週は、3rdアルバム『スターボーイ』(2016年)から再ヒットしている「ダイ・フォー・ユー」と、4thアルバム『アフター・アワーズ』(2020年)に収録された「ブラインディング・ライツ」のポイントがオリジナルを上回ったため、本ベスト盤が急上昇した。それにより、週間ユニットは前週から207%増加の45,000に上昇している。

 7位はバッド・バニーの『Un Verano Sin Ti』(45,000ユニット / 16%増加)が先週の8位から上昇し、8位はドレイク&21サヴェージの『ハー・ロス』(43,000ユニット / 2%減少)が先週の5位からランクダウンした。

 続いて9位には、2月5日に開催された【第65回グラミー賞】で<最優秀アルバム>を受賞したハリー・スタイルズの『ハリーズ・ハウス』が先週の13位から再TOP10入りを果たしている。<最優秀アルバム>の受賞や収録曲「アズ・イット・ワズ」のパフォーマンス効果等を受け、週間ユニットは51%増加の38,000に上昇した。

 今週10位に初登場したのは、シャナイア・トゥエインの新作『クイーン・オブ・ミー』。初動ユニットは38,000で、その内訳アルバム・セールスが34,000、アルバム・ストリーミングが3,500(492万回)、トラックによるユニットは500をそれぞれ記録した。本作は2017年9月にリリースした前作『ナウ』から約5年半ぶり、通算6枚目のスタジオ・アルバムで、Billboard 200でのTOP10入りは以下に続く6作目のランクインとなる。

※順位は最高位、()は最高位獲得年
5位『ウーマン・イン・ミー』(1996年)
2位『カム・オン・オ-ヴァー』(1997年)
1位『アップ』(2002年)
2位『グレイテスト・ヒッツ』(2004年)
1位『ナウ』(2017年)
10位『クイーン・オブ・ミー』(2023年)

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは2月17日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『SOS』シザ
2位『ミッドナイツ』テイラー・スウィフト
3位『The Name Chapter: TEMPTATION』TOMORROW X TOGETHER
4位『デンジャラス:ザ・ダブル・アルバム』モーガン・ウォレン
5位『Heroes & Villains』メトロ・ブーミン
6位『ザ・ハイライツ』ザ・ウィークエンド
7位『Un Verano Sin Ti』バッド・バニー
8位『ハー・ロス』ドレイク&21サヴェージ
9位『ハリーズ・ハウス』ハリー・スタイルズ
10位『クイーン・オブ・ミー』シャナイア・トゥエイン