スティング、「Russians」再録ver.の収益をウクライナ支援に寄付と発表
スティング、「Russians」再録ver.の収益をウクライナ支援に寄付と発表

 冷戦時代にスティングが「Russians」(ラシアンズ、“ロシア人”)を発表してから約40年が経ったが、ロシアによるウクライナへの侵攻を鑑みると、この歌詞は今でも同じように重要な意味をもっている。

 そのため、スティングは「Russians」のギターとチェロのバージョンを再録音して2022年3月25日にリリースし、純益をウクライナ支援に寄付すると発表した。インスタグラムの投稿で彼は、寄付先のHelp Ukraine Centerについて、「ウクライナの事業主たちが設立したボランティアの保管センターで、人道支援や医療支援品を世界中から送ることができ、資金はドイツの慈善基金、Ernst Prost, People for Peace - Peace for Peopleを通じて処理される」と説明している。

 今月初め、スティングはインスタでこの曲を披露し、「この曲が作られてからの長い年月、ほとんど歌ったことがありませんでした。なぜなら、この曲が再び意味を持つとは思っていなかったからです。しかし、平和で脅威のない隣人を侵略するという、ある男による血なまぐさくて、ひどく誤った決定を踏まえると、この曲は再び私たちの共通の人間性を訴えるものになってしまいました」と述べ、「この残忍な暴政と戦う勇敢なウクライナ人、そして逮捕や投獄の脅威にさらされながらもこの暴挙に抗議している多くのロシア人のために。私たちは、誰もが、自分の子どもたちを愛しています。戦争を止めてください」と続けた。

 尚、ロシアによるウクライナへの侵攻開始後、「Russians」を含む複数の関連楽曲が3月5日付の米ビルボードの歌詞検索チャート“LyricFind U.S.”と“LyricFind Global”に登場した。

 「Russians」はこれらの楽曲の中では最高位を記録しており、“LyricFind U.S.”では3位、“LyricFind Global”では4位に初登場した。この楽曲は1986年3月に米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”で16位を獲得した。当時起こっていた米ソの冷戦を批判しており、“ロシア人も自分の子どもたちを愛していることを願う”という台詞が特徴で、LyricFindによると、計測期間中に歌詞の閲覧・使用数が米国で4,183%、世界で3,744%増加した。