【ビルボード 2021年年間HOT Albums】BTS『BTS, THE BEST』が総合アルバム首位
【ビルボード 2021年年間HOT Albums】BTS『BTS, THE BEST』が総合アルバム首位

 2021年年間Billboard JAPAN総合アルバム・チャート“HOT Albums”で、BTSの『BTS, THE BEST』が1位を獲得した。

 BTSの日本ベスト・アルバムとなる『BTS, THE BEST』は、2021年6月16日にリリースされた。初週にはCDセールスが807,056枚、ダウンロード数が7,447DLを記録しており、ルックアップ(PCへのCD読み取り回数)とともに全3指標で1位を記録していた。その後も全3指標それぞれが35位を下回ることなく、およそ5が月半ほど好調をキープ。特にルックアップは常に8位以上を記録しており、トップ3には通算15週チャートインした。結果的に、集計期間内においてCDセールスは1,022,497枚で1位のほか、ダウンロード数は19,940DLで7位、ルックアップは6位を記録。堂々の年間総合アルバム・チャート首位となった。

 ちなみに、2020年度の年間総合アルバム・チャートは米津玄師の『STRAY SHEEP』(本年度は年間総合11位)が獲得しており、2016年の宇多田ヒカルの『Fantome』以来のベスト盤でない作品によるチャート首位となったが、本年度は再びベスト盤が首位となった。しかし、トップ10を見てみると『BTS, THE BEST』以外にベスト盤はチャートインしておらず、2020年以降の傾向が継続されていることもうかがえる。

 2020年以降の傾向の継続としてもう1つ挙げられるのが、グループによる作品が多数チャートインしていることだ。トップ10で見てみると2019年度は3作品だったのに対し、2020年度は6作品、そして2021年度も6作品がチャートイン。2021年度においてその中身を見てみると、2位のSnow Man『Snow Mania S1』、3位のSixTONES『1ST』、5位のKing & Prince『Re:Sense』といったジャニーズのグループ、そして先述の『BTS, THE BEST』、7位のBTS『BE』、8位のSEVENTEEN『Attacca』といったK-POPのグループによる作品がトップ10に名を連ねた。BTSの作品以外は未配信のものもありダウンロード指標が100位圏外だったが、CDセールスやルックアップのポイントを積み上げることでトップ10入りしている。

 11位から20位の10作品を見てみても、グループによる作品は8作品がチャートイン。「Gifted.」が11月10日公開(集計期間:2021年11月1日~11月7日)の総合ソング・チャートで首位を獲得したBE:FIRSTや、「Rocketeer」が同じく11月10日公開の総合ソング・チャートで2位を記録したINIなど、オーディションから生まれた勢いのあるグループで、まだアルバムをリリースしていないアーティストがいることから、2022年度以降どのような動向になるか注目される。

 そんなグループの作品が目立つなか、年間4位にチャートインしたYOASOBIの『THE BOOK』はダウンロード数が84,127DLで1位、ルックアップも1位で2冠を記録。CDセールスは30位だった。2021年1月6日にリリースされた本作は、特にルックアップでチャートイン初週から47週連続で7位以上をキープ。YOASOBIは2021年も「怪物」や「三原色」などといった新曲や、「Into The Night」といった英語版の楽曲もリリースするなど、精力的に楽曲をリリースしたほか、2月に新宿ミラノ座ビル跡地で配信された【YOASOBI 1st LIVE 『KEEP OUT THEATER』】や、7月にユニクロ・UTとコラボして行われた無料生配信ライブ【SING YOUR WORLD】など、継続的に楽曲リリース・ライブ配信を行うことで話題が途切れなかった。その影響もあって常にルックアップやダウンロードの上位をキープしていき、年間4位に繋がったと考えられる。

 そのほか、年間6位のMr.Children『SOUNDTRACKS』や年間9位の宇多田ヒカル『One Last Kiss』と、30年や20年以上のキャリアを持つアーティストの作品もトップ10にチャートインしている。『SOUNDTRACKS』はCDセールスが357,347枚で6位、ダウンロードが19位、ルックアップが4位とフィジカル関連の2指標で特に高い順位を記録している一方、『One Last Kiss』はCDセールスが22位、ダウンロードが36,852DLで2位、ルックアップが11位とダウンロード指標で特に高い順位を記録していることから、タイプは異なるものの、どちらも継続的にポイントを積み重ねたことで年間トップ10入りとなった。

 そして、年間10位のOfficial髭男dism『Editorial』はチャートイン通算15週でトップ10入り。2020年の年間総合アルバム・チャートにもトップ10にチャートインしていたアーティストとしてはBTS、King & Princeが挙げられるが、Official髭男dismもそこに加わることになる。2019年の「Pretender」以降、ストリーミングで特に結果を出してきたアーティストで、年間総合アルバム・チャートに2年連続でトップ10にチャートインしていることから、Official髭男dismが次のフェーズに進んでいることも感じられるだろう。

Text by Akihiro Ota

【Billboard JAPAN HOT Albums of the Year 2021】トップ10
1位『BTS, THE BEST』BTS
2位『Snow Mania S1』Snow Man
3位『1ST』SixTONES
4位『THE BOOK』YOASOBI
5位『Re:Sense』King & Prince
6位『SOUNDTRACKS』Mr.Children
7位『BE』BTS
8位『Attacca』SEVENTEEN
9位『One Last Kiss』宇多田ヒカル
10位『Editorial』Official髭男dism

集計期間:2020年11月23日(月)~2021年11月28日(日)