有料ライブ配信への消費者の関心が急増しているという新データが発表
有料ライブ配信への消費者の関心が急増しているという新データが発表

 ここ6か月にわたり、新型コロナウイルス関連の規制によりツアー業界をかつて活発にさせた対人での集まりは制限され、ライブ・コンサート市場は、この状況に順応することを余儀なくされた。アーティストが直接ファンとの繋がる方法を多様化させ、自宅から配信を行うにつれ、今やファンは有料のコンテンツに高い関心を示している。

 社会的距離を保ったコンサートやドライブ・イン・コンサートに加え、ライブ配信の人気が急上昇し、ライブに特化したディスカバリ・サービスのBandsintown(バンズインタウン)では、4月29日の一週間に3,173の新しいイベントの登録数を記録した。Bandsintown.comに掲載されるライブ配信の合計数はここ最近5万件を超え、現在週に平均で1,250~1,500のイベントが新たに掲載されている。

 Bandsintownが、消費者のライブへの関心を追跡する一つの方法は、有料配信とリアル・イベントのチケットをクリックした回数と無料のライブ配信の「通知」と「ライブを視聴する」のボタンをクリックした回数で計算される。

 7月1日~9月30日までの過去3か月にわたり、リアル・ライブは7月から9月にかけて4%上昇とほぼ一定であったのに対し、無料ライブ配信への関心は26%減少した。ただ同じ期間の有料ライブ配信のチケットのクリック回数は577%上昇している。

 Bandsintownでの有料ライブ配信のチケットのクリック回数はサイト全体のアクティビティの3.3%で7万136回のクリックに対し、リアル・ライブは154万回、無料ライブ配信は48万5000回だった。8月には、3.3%が12.6%に跳ね上がり、9月には19.5%まで上昇し、7月の7万回から47万5057回になった。

 リアル・イベントを除く、有料ライブ配信と無料ライブ配信だけで比較すると、7月のBandsintownでの有料ライブ配信のチケットのクリック回数は無料ライブ配信の14%であったが、9月にはそれが逆転し、有料ライブ配信のチケット・クリック回数は、無料ライブ配信より33%上回っている。

 この現象はヨーロッパよりも米国で顕著だ。Bandsintownの米国内での有料ライブ配信のクリック回数は、全体のアクティビティの23%に対し、ヨーロッパでは7%のみである。逆に、米国でのリアル・イベントへのクリック回数は全体の60%にまで落ち込んでいるが、ヨーロッパでは85%を占めている。これは、ヨーロッパで新型コロナウイルスの感染状況が改善され、従来のコンサートに近いイベントが可能になったことが要因である可能性が高い。

 この急増は、最近まで無料ライブ配信に頼っていたアーティストにとって収益化する励みとなる。Bandsintownでの安定したイベント合計数に対するチケットのクリック回数の著しい増加は、ファンがパンデミックを通してこれまで以上に課金することに前向きであることを示している。