<ライブレポート>一青窈、ビルボードライブ横浜でハイブリッドライブを開催 松任谷由実作曲の新曲披露
<ライブレポート>一青窈、ビルボードライブ横浜でハイブリッドライブを開催 松任谷由実作曲の新曲披露

 一青窈が、【一青窈 Groovy Night feat. 森俊之, 中條卓, 沼澤尚, 山本タカシ】をビルボードライブ横浜で開催した。今回、8月28日に予定されていたビルボードライブ大阪での公演中止を受けて、急遽、横浜公演の2ndステージが生配信されることが決定。本公演は、会場に観客を入れ、かつ配信も行うといったハイブリッド構成で行われた。自身の曲はもちろん、尊敬するアーティストたちのカバーなど計13曲で組まれたセットリストは、一青窈の多彩な音楽性を改めて感じる一夜となった。

 開始時間になると、まずバンドメンバーからステージに登壇し、シックな前奏、さらに電話の呼び出し音が。スマホを片手に持ちながら一青窈が登場すると、大原櫻子へ歌詞提供した楽曲「電話出て」がスタートした。一青窈は、まるで物語の主人公のようで、歌詞の言葉一つ一つに感情を乗せて歌う姿が印象的だった。続いて壮大なナンバー「大家」がパフォーマンスされると、「嬉しいですね、ライブ。やっとできましたね」と安堵を含んだ声で、観客へ挨拶した。

 その後も各バンドメンバーのソロが個性に溢れ、魅力的だった吉田美奈子のカバー曲「ケッペキにいさん」。そしてギター、ベース、ドラムの心地の良いアンサンブルから始まり、一青窈の壮麗なビブラートが響いた荒井由実のカバー曲「生まれた街で」と続く。動物的に思いついたという一青窈の歌詞と、松任谷由実の生み出した旋律とで構成された新曲「かたつむり」が披露された。ミドルテンポでリズミカルなメロディに一青窈の力強い声が乗り、気持ちが明るくなるような楽曲だった。甘く、ドラマチックな旋律のピアノ伴奏から始まったデビュー曲「もらい泣き」や、美空ひばりの名曲のカバー「お祭りマンボ」などと続き、ライブ会場を盛り上げていく。
 
 「何で歌手になろうと思ったのか」という、よく聞かれる質問に対して「歌手になる前、詩を書くことが大好きで」と語った一青窈。そして、遠い存在ではあるが、詩を読むと近くに感じることができるという尊敬する詩人・谷川俊太郎の詩「私はかつてどこかにいたのに」を朗読した。「ここに来てくれたことに感謝しています」と述べ、「アリガ十々」とともに本編が終了した。

 アンコールの手拍子に応え、再びステージに登場し、井上陽水のカバー曲「Pi Po Pa」をパフォーマンス。そして「みんなありがとう」と画面で公演を楽しむ観客にも手を振り、「あなたとあなたの好きな人が100年続きますように。今日はありがとうございました」と感謝の気持ちを述べ、彼女の代表曲「ハナミズキ」で公演を締めくくった。

 自身の楽曲に加えて、これまでの人生で刺激を受けた名曲を、底知れぬ表現力で歌い上げてくれた一青窈。本公演のアーカイブ配信は8月30日まで行われているので、是非何度でも堪能して頂きたい。

Text by Tatsuya Tanami
Photo by Masanori Naruse

◎配信ライブ情報
【一青窈 Groovy Night ONLINE SHOW ~LIVE LOVERS~ from Billboard Live supported by CASIO】
日時:2020年8月24日(月)21:30~
配信会場:ビルボードライブ横浜
※視聴可能期間:2020年8月30日 (日)23:59まで

<TICKET>
オンライン視聴券:2,800円(tax in)
サポート1000:3,800円(tax in) / サポート2000:4,800円(tax in) / サポート3000:5,800円(tax in)
チケット購入URL:https://eplus.jp/hitotoyo-st/
販売期間:2020年8月30日(日)21:00まで

<Member>
Vo:一青窈
Key,P:森俊之
B:中條卓
Dr:沼澤尚
G:山本タカシ
Sax:本田雅人
Sax:山本拓夫
Cho:MARU