<ライブレポート>【Desert Daze 2019】最終目、Wu-Tang Clan/急遽出演のRIDEにオーディエンス歓喜
<ライブレポート>【Desert Daze 2019】最終目、Wu-Tang Clan/急遽出演のRIDEにオーディエンス歓喜

 米ロサンゼルス近郊にある人口湖畔エリア、ペリス湖のモレノビーチで音楽フェス【Desert Daze】が開催された。7年目となる今年はザ・フレーミング・リップス、ディーヴォ、ウータン・クランをヘッドライナーに迎え、オーディエンスは会場に設置された様々なアートやオーガニック・フードを楽しんだ。ここでは最終日の模様をお伝えする。
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◎Wu-Tang Clan
ステージ上の巨大スクリーンに現在Huluで放送中のウータン・クランのオリジナル伝記ドラマ『Wu-Tang: An American Saga(原題)』が映し出されると、観客のウータンコールに迎えられ登場した彼ら。RZAはシャンペンをぶちまけ、初っ端からニューヨークラップ全開のステージで観客をヒートアップさせた。途中LGBの人たちをサポートするMCがあり、ラストはこの日同じステージに出演していたKhruangbinが登場。1993年リリースのアルバム『Enter The Wu-Tang (36 Chambers)』を、Khruangbinの遊び心溢れる変幻自在なジャムに合わせ、ウータン・クランがフリースタイルのラップでセッション。この異色のコラボに観客は怒涛の歓声をあげた。

◎The Claypool Lennon Delirium
ショーン・レノンがプライマスのレス・クレイプールと組んだユニット。今年2枚目のアルバム『South Of Reality』を発表。レスとショーンの圧倒的な重低音が初っ端から渦巻くサイケデリックなセッションはまるで魔術師のようだった。彼らはこの日フェスのオーガナイザーでもあるJJUUJJUUのクロージング・ステージにサプライズで登場し、フェスの幕を完璧にして閉じた。

◎RIDE
多くのミュージシャンから熱狂的支持を受け、今年の台風の目玉となる予定だった坂本慎太郎がまさかの台風の影響で出演がキャンセルとなり、ビンチヒッターとして急遽出演が決まったRIDEに観客は大興奮。フルムーンの下で1時間以上に及ぶ伝説的なシューゲイザーサウンドを繰り広げた。

◎Jakob Ogawa
ノルウェーのシンガー・ソングライター。甘いマスクにキャッチーながらオリジナルのサウンドで魅了する彼の登場を多くのファンが待ち構えていた。ハイトーンのボーカルに、軽快なステップと、バンドと繰り広げる北欧らしくないカリフォルニア的なサウンドは、彼を知らない観客を一瞬で虜にしてしまい、ショウの後半は多くの人で埋め尽くされていた。

◎The Paranoyds
LAのガレージ・ポップ・パンク。バンド。ベースのスタッズはクリスチャン・ディオールの広告や『ヴォーグ』の紙面を飾る売れっ子モデルだ。彼女の高校時代からの友人のライラとレキシーで結成されたバンドは、今年フル・スタジオ・アルバムを完成させ、USツアーの最終公演がこの【Desert Daze】だった。ステージ上にはアルバムのアートワークにもなっている巨大な歯ブラシのオブジェが置かれている。30度以上ある灼熱の中、メインステージに登場した美女3人がのっけから髪を振り乱し、荒々しいノイズサウンドで男顔負けの骨太のステージの45分間だった。

◎SASAMI
元Cherry Glazerrのキーボードだった彼女は去年King Tuffのサポートメンバーとしてツアーをを廻り、自身もソロとして前座を務めた。今年3月にセルフタイトルのデビュー・アルバムをリリースしたササミが鳴らすファジーなギターに、ベーシストのエイドリアンによるテクニカルなラインが重なって、ガールズパワーの真髄を体感した。

Text & photos by ERINA UEMURA