トム・ウェイツ、R・レッドフォード俳優引退作でアウトローな強盗犯に
トム・ウェイツ、R・レッドフォード俳優引退作でアウトローな強盗犯に

 名優ロバート・レッドフォードの最新作で俳優引退作となる映画『さらば愛しきアウトロー』が2019年7月12日より全国公開する。
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 『明日に向って撃て!』や『スティング』でその実力を認められたハリウッドを代表するロバート・レッドフォードが、60年近くに及ぶ役者人生に幕を閉じる。彼が俳優人生の最後に演じるのは、実在した伝説の銀行強盗犯フォレスト・タッカーだ。16回の脱獄と銀行強盗を繰り返し、誰ひとり傷つけなかった74歳の紳士のほぼ真実の物語は、米有名映画レビューサイト「ロッテン・トマト」で満足度93%の高評価を獲得した(※2019/6/3時点)。

 ロバートの名演技に加え、フォレストの仲間のひとり、ウォラー役を演じるトム・ウェイツも見逃せない。世界的に有名なシンガーソングライターとして知られる“酔いどれ詩人”トム・ウェイツは、音楽活動だけでなく、その個性的なキャラクターを活かして俳優としても活躍しており、近年ではテリー・ギリアム監督の『Dr.パルナサスの鏡』(2009)、マーティン・マクドナー監督の『セブン・サイコパス』(2012)、Netflixオリジナル映画『バスターのバラード』(2018)など、数々の個性的な監督たちの作品に出演。日本では来春公開予定で、ビル・マーレイやアダム・ドライバー、セレーナ・ゴメス、RZAといった豪華キャスト陣と“ゾンビ”の異色の組み合わせが早くも話題を呼んでいる、ジャームッシュ監督の『The Dead Don’t Die(原題)』にも出演している。

 本作の出演オファーを受けたトム・ウェイツは、「まるで、現代版のウェスタン映画みたいだ。デヴィッド(・ロウリー監督)は脚本家として確かな目、耳、そして“言葉”を持っている。しかも、共演者はレッドフォード、(シシー・)スペイセク、(ダニー・)グローヴァーと素晴らしい俳優ばかりだよ。まるで、パーティーの出席者を聞いて、そのたびに感動しているみたいな気分だ。ともかくキャスティングが最高なんだ」とロウリーの脚本と出演者たちにすっかり心酔したことを振り返る。

 自身が演じるウォラー役については「フォレストに比べて、より典型的な犯罪者のタイプだ。あまり恵まれた境遇じゃない。10年間刑務所にいて、多くの過ちを犯した。自分の居場所が社会になかったんだよ。フォレストとは、ずっと一緒に組んでいたんだ。フォレストは冷静沈着だったから、ギャングのリーダーになれたのさ」と社会から外れてしまったタイプのアウトローであることを冷静に分析している。

 レッドフォードは「トムの音楽のファンだったんだ。共演できるなんて神の恵みだと思った。後が怖いね(笑)」とトムとの共演に大喜び。ロウリー監督から「彼は文句なしに、私たちのヒーロー」とリスペクトされ、映画界からも愛されているトム・ウェイツのアウトローな演技に期待が高まる。

◎公開情報
『さらば愛しきアウトロー』
2019年7月12日(金)より、全国公開
監督:デヴィッド・ロウリー
出演:ロバート・レッドフォード、ケイシー・アフレック、シシー・スペイセク、ダニー・グローヴァー、トム・ウェイツほか
配給:ロングライド
Photo by Eric Zachanowich. (C)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved