『関ジャム完全燃SHOW』福山雅治、マルチな活躍の裏にあるシビアな自己分析
『関ジャム完全燃SHOW』福山雅治、マルチな活躍の裏にあるシビアな自己分析

 関ジャニ∞によるテレビ朝日の音楽バラエティ番組『関ジャム完全燃SHOW』が9月10日に放送、ゲストに福山雅治が出演した。

 この日の放送では、アーティスト、俳優、ラジオパーソナリティーなどマルチに活躍する福山雅治の音楽的才能にスポットライトを当て、プロによる分析をもとにそのスゴさを徹底検証。まず最初にプロ目線でアーティスト福山の才能を分析したのは、音楽プロデューサーの本間昭光。福山について「自分の声を熟知し、声をコントロールすることに長けている」とVTRで語る本間は、福山がイヤホンで音楽を聴くことを考慮した音作りをしているであろうと分析。これに対し、スタジオでは福山本人がそれを意識している旨を明かすとともに、自宅にオーディオ・システムがないこと、また、若かりし頃は自分の歌声があまり好きではなかったことも告白。その理由は、当時隆盛を極めていたハードロック系アーティストのハイトーン・ボイスに憧れていたためで、その真逆である自分の歌声は「ヒットしない」と考えていたそう。また、ファルセット(裏声)を使わない歌唱法やシンプルなメロディーは、自分だけでなくみんなに歌って欲しいからだと福山は語る。

 ほかにも本間は、福山の“音がどんどん下がっていく”下降型メロディーや、循環コードのなかにあえて不安なセブンスコードをスパイスとして入れるなど、非凡なソングライティングのセンスを具体的な楽曲を挙げながら解説。最後に本間からアーティストとして『緊張感を持続させる秘訣』を訊かれた福山は、曲作りのしんどさや、自身の才能の枯渇を感じる瞬間があるなど、アーティストとしての苦悩をストレートに明かしていく。これまでに多数の名曲を残してきた福山であっても、楽曲制作に関しては決して「ラクになる」という境地に辿り着いてはいないそう。また、自身の才能について「どれかひとつに秀でているわけではない」と冷静に分析し、だからこそ、出来ることを全部やるという陸上の「十種競技」のようなスタンスで、さまざまなことに挑戦してきたそう。マルチな活動の裏にある「歌だけではやっていけない」というシビアな自己分析を包み隠さず語ったことで、スタジオを共感させた。

 続いて、いしわたり淳治が登場し「作詞家」目線で福山のソングライティングを分析。「何度でも花が咲くように私を生きよう」や「東京にもあったんだ」「家族になろうよ」など名曲の歌詞を挙げながら、「否定的な表現を使って自己肯定をするカッコ良さ」や、印象的なフレーズ=“キラーワード”への意識の高さをプロの目線で解説した。これまでに多数のラブソングをヒットさせてきた福山だが、ラブソングを作詞する際には普遍的な答え(テーマ)となる「愛してる」までの着地をどう仕掛けるか、を強く意識しているとのこと。

 そのほか、番組内では福山が「才能に嫉妬する同世代アーティスト」として槇原敬之の名を挙げ、代表曲「どんなときも。」のソングライティングを“完璧”と賞賛。また、デビュー初期の頃、ラブソングが書けなかった福山に対し、音楽プロデューサーの木崎賢治氏が尋問をおこなうように福山の恋愛に対する感情を引き出し、それを歌詞としてまとめたものが「Good night」であることなどブレイク前夜の知られざるエピソードも明かされた。

 そして、この日のジャムセッショは「milk tea」。セッションの前には福山とともにボーカルを務める渋谷に対し「あんまり上手く歌わないでね。」と冗談交じりに牽制し、和ませる一幕も。ギター&コーラスに安田、ベース丸山、カホン大倉、キーボード村上が参加し、暖かいメロディーと歌詞が際立つ大人のアコースティック・セッションを展開した。

 次回の『関ジャム完全燃SHOW』は9月17日、NAOTO(ORANGE RANGE)、ヒャダイン、井上芳雄、清塚信也、田中雪子をゲストに迎えて「他人には聞けない音楽のギモンSP」を放送する。

◎番組情報
テレビ朝日『関ジャム 完全燃SHOW』
毎週日曜23:10~
※一部地域を除く