大回顧展終了まで3週間、90年代ファッション業界の風雲児アレキサンダー・マックイーンがデヴィッド・ボウイに纏わせたユニオンジャック
大回顧展終了まで3週間、90年代ファッション業界の風雲児アレキサンダー・マックイーンがデヴィッド・ボウイに纏わせたユニオンジャック

 2017年1月8日から開催されている『DAVID BOWIE is』デヴィッド・ボウイ大回顧展の会期も、残すところあと三週間あまり。同展覧会で大きな見どころのひとつとなっているのが、山本寛斎を筆頭に、ボウイと一流デザイナーが共同制作した芸術的で奇抜、かつ豪華絢爛なステージ衣装の数々だ。そのなかでもひと際インパクトを放つ、ユニオンジャックで仕立てられたフロックコート。このステージ衣装を手がけたのは、アレキサンダー・マックイーン。彼は存命であれば今月17日、47回目の誕生日を迎えるはずだった。ファッション業界に大きな衝撃が走ったキャリア全盛での突然死から、すでに7年の月日が経過している。

 40歳という若さで自ら命を絶った90年代ファッション業界きっての風雲児に、いち早く目をつけた著名人のひとりがデヴィッド・ボウイだった。ボウイはマックイーンによる従来の型にはまらない、斬新かつ攻撃的、破壊的なデザインに何かしらのシンパシーを感じたのだろう。まだ美術学校を卒業したばかりのマックイーンのコレクションを目にし、その才能に惚れ込んだボウイは、1996年、自身のステージ衣装の共同制作を依頼する。こうして誕生したのがアルバム『アースリング』(1997年)のジャケット写真でボウイが着用しているユニオンジャックで仕立てられたコートである。『DAVID BOWIE is』では、まさにこの衣装が『アースリング』のカバーと同じように、背を向けて私たちを出迎えてくれる。

 また『DAVID BOWIE is』では、アレキサンダー・マックイーンや山本寛斎のほかにも、ディオール・オムやイヴ・サン=ローランのクリエイティブディレクターとして知られるエディ・スリマン、オペラ専門の衣装デザイナーとして成功を収めたピーター・J・ホールらとのコラボレーションによるステージ衣装が展示されている。芸術性・独創性溢れる煌びやかな衣装の数々は、ボウイ・ファン、音楽ファンはもちろん、アート、ファッション好きの感性をも存分に刺激してくれるだろう。


◎イベント情報
デヴィッド・ボウイ大回顧展『DAVID BOWIE is』
期間:2017年1月8日(日)~4月9日(日)
会場:寺田倉庫G1ビル
チケット料金(税込):一般前売 2,200円 / 一般当日 2,400円
中学生・高校生 前売1,000円 / 中学生・高校生当日 1,200円