11月13日のパリ同時多発テロでバタクラン劇場での襲撃から逃れたフリーランスのフランス人音楽ジャーナリスト、ラフォン・バティストが15日夜、MSNBCテレビに当時の様子を語った。


 2階席に座っていた彼と他数人が、機転を利かせた方法でイーグルス・オブ・デス・メタルのコンサート会場から無事に逃げ出した様子を解説。生きて帰れることを信じ、他の人々と同じようにメインの出口に急ぐのではなく、ゆっくり行動したとのことだ。


 バティストはMSNBCに対し、「まず爆発音が聞こえたのでショーの演出かと思ったのですが、徐々に周囲の人たちに恐怖が広がっていきました。その後、叫び声や武器の音が聞こえ、(火薬の)臭いがしました。私の前にいた人が窓を開けて屋上に出ることを思い付いたのです」と話した。


 彼と他数人は一緒に窓から逃げ、近くにある知らない人のアパートのビルに身をひそめたそうだ。


 「屋上に出るのは大変でしたが、皆で助け合いました。本当に美しい行動を見たのです。人々は……私たちは紳士でしたから、レディーファーストでした。危険にさらされた人々はお互い助け合うのです」


 バタクラン劇場に隣接したアパートに隠れている間、皆に「良かった……我々は運がいい」と声をかけたという。


 ところがそれ以来、彼は生き残ったことに対し罪悪感を感じているそうだ。「あそこで亡くなった人たちを想うと考えてしまうのです、なぜ自分がと……」と話した。