ニッケルバックのフロントマンであるチャド・クルーガーが、アルバム『ノー・フィックスド・アドレス』からのリードシングル「エッジ・オブ・ア・レヴォリューション」について、同曲は米ミズーリ州ファーガソンでの抗議活動からインスパイアされたことを明らかにした。今年8月にミズーリ州ファーガソンで警察が非武装だった10代の黒人少年、マイケル・ブラウンを射殺したことが波紋を呼んでいる。

 ザ・ゲームからフーレイ・フォー・ザ・リフ・ラフまで、これまでに多くのアーティスト達が同事件に関する抗議ソングやトリビュート・ソングによって自身の考えを表してきているが、ニッケルバックはこれに賛同してチャート1位を獲得した最初のロックバンドとなった。

 チャド・クルーガーは今月初めの米Yahoo!ミュージックとのインタビューにて、「最近の世界情勢はとても憂うつだ。この曲が明確に何をきっかけにできたのか分かっているんだ。我々が作業している間、ミズーリ州ファーガソンでのマイケル・ブラウン殺害の一件が大きな話題となっていて、凄い勢いで暴動が起きていた。だから、その事がきっかけみたいなものだったと思う」と話している。

 しかしながら、時系列でみると若干ごちゃごちゃになっているようにも思われる。ファーガソンでの抗議活動の間にバンドはこの「エッジ・オブ・ア・レヴォリューション」の作業を行なっていたとしているものの、8月9日にブラウンが撃たれるおよそ1か月前に同曲について既にアナウンスしているのだ。当時の彼は、ウォール街金融圏の富裕層やウクライナでの暴動など、社会における不穏状態の別の例を挙げていた。ちなみに同曲がリリースされたのは8月18日だ。

 ニッケルバックの8枚目のスタジオ・アルバム『ノー・フィックスド・アドレス』は今週リリースされており、偶然にも11月17日には、ブラウン殺害において警官を起訴するかどうかの大陪審での決定に向け、ミズーリ州知事が非常事態を宣言していた。