英国を本拠地とするオンライン・エレクトロニック・ミュージック・マガジン“Resident Advisor(RA)”が、独自のチケット転売サービスを開始すると同社のサイトで発表した。

 サイト上には、「同サービスは、不正チケットの流通を根絶やしにし、人気のあるショーで利益を得るダフ屋行為を防ぐことを目的としている」と書かれている。あるイベントのチケットが完売すると転売可能になり、イベント不参加となった顧客はその時点で自分のチケットを売ることができる。実際に気が変わっても、売れるまではチケットを取っておくことができる。新たな顧客に売れると、元の購入者は全額から予約金を差し引いた額の払い戻しを受けるという。

 RAの共同設立者ポール・クレメントはビルボードに対し、「6年間ほどチケットを販売するなかで、ファンたちはチケット代を過払いしたり、時には偽のチケットを買わされたりするなど、転売市場が我々の業界に悪影響を及ぼすのを目の当たりにしてきました」と話す。内部者の証言を基にした調査によると、自称“チケット再販会社”のViagogoは会社のクレジットカードで購入したイベント・チケットを高値で転売していたそうだ。

 クレメントによると、RAは今年1月のサイト・リニューアル時から準備していたチケット転売フォームのテスト版を、数週間前から幾つかのイベントを絞って公開しており、20分に3、4枚と順調に取り引きされているとのことだ。「悪巧みを妨害しているのを実際に見るのは気分がいいものです」と彼は言う。

 ベルリン、パリ、東京、ベルギーの他、フロリダ、カリフォルニア、イリノイなどの米国各州のクラブ・プロモーターと連携しており、ワールドワイドに適用されるこのRAの取り組みが、チケット市場に広く影響するよう望んでいるクレメント。「これは世界範囲でスタンダードになり得るものでしょう。エンドユーザーの利益になり、プロモーターの利益になり、最終的にバランスがとれる。こうでなくてはなりません」と話している。