指揮者や作曲家として世界的に活躍するロリン・マゼール氏が肺炎の合併症のため、米バージニア州の自宅で7月13日に84歳で死去した。

 マゼール氏は、1930年パリ生まれのアメリカ人。8歳で指揮者として初舞台を務め、1953年にイタリアのマッシモ・ベリーニ劇場でヨーロッパ・デビューを飾った。1960年にはアメリカ人として初めてバイロイト音楽祭で指揮をし、その後もベルリン・ドイツ・オペラ芸術監督兼首席指揮者、ウィーン国立歌劇場音楽総監督、クリーブランド管弦楽団音楽監督、バイエルン放送交響楽団の首席指揮者、ニューヨーク・フィルハーモニック音楽監督などを歴任した。日本では1963年以降、何度も来日しており、2013年にはミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団とともに来日公演を行った。

 今回の訃報に際し、指揮者の小澤征爾氏は、「マゼールさんの突然の訃報に驚いています。ブザンソンのコンクールで私が賞を受けた時以来の付き合いです。 アバド、メータ、ムーティや私の世代で、一番のトップを走っていたのがマゼールさんでした。 さびしいです。」 と、コメントしている。