河田一規
ライカ判ミラーレス用標準レンズ
35ミリ判フルサイズのミラーレス機ライカSL用交換レンズだ。ライカSL用交換レンズは標準ズームと望遠ズームだけだったので、今回のズミルックスがSL用として初の単焦点レンズとなる。
実物を見た第一印象はとにかく「デカい！」のひと言。同クラスの高性能レンズとしてはカール ツァイスのOtus1.4／55があるが、レンズの最大径こそオータスに譲るものの、全長や重さ、フィルター径はSL用ズミルックスのほうが大きい。もちろん、むやみにデカいわけではなく、性能を確保するために大きくなってしまったわけで、それだけに性能は良好。絞り開放から合焦点のシャープネスは「異常」と思えるほどキレキレだし、周辺での像の乱れも極めて少ない。現状のライカSLは2400万画素だが、この程度の画素数ではレンズに十分余裕があることが伝わってくるほどで、解像性能的には1億画素以上をターゲットに作られているのではないだろうか。だとすればこのサイズにも納得がいく。
今回使ったようなスナップ撮影では、とても本領を発揮させられるとは思えない。ちゃんとセットアップした大がかりなコマーシャルシーンなどでこそ生きる仕事用機材だ。
デザイン
重厚な金属製鏡胴はマッシブなブラック仕上げで価格相応の高級感がある。他のSLレンズやTLレンズ（APS-C用）もそうだが、距離指標などがないため、かなりシンプルなデザイン
使用感・操作感
角形にもかかわらず逆付け収納できるフードは格好よく、実用的だが、ロックがフード側の弾性頼り。価格相応のロック機構が欲しい。AFレンズだが、フォーカスリングはトルク感もあり滑らか
描写性
特殊硝材などの物量を投入したレンズだけに、写りは完璧。2400万画素の現行ライカSLではこのレンズの限界を見極められない。特に解像性能は絞り開放からものすごく、ため息が出るほど
◆河田一規
●焦点距離・F値：50ミリ・F1.4●レンズ構成：9群11枚（非球面レンズ2枚）●画角：47.9°●最短撮影距離：0.6メートル●最大撮影倍率：1：10●フィルター径：φ82ミリ●大きさ・重さ：φ88×124ミリ・1065グラム●価格：実売69万1200円●URL：http://www.leica-camera.co.jp/
ラリー遠田
沖昌之
小島よしお
