「アクシデント・10」黒い日曜日 (C)森山大道/東京工芸大学 写大ギャラリー所蔵
「アクシデント・10」黒い日曜日 (C)森山大道/東京工芸大学 写大ギャラリー所蔵
「アクシデント・2」新宿25時 (C)森山大道/東京工芸大学 写大ギャラリー所蔵
「アクシデント・2」新宿25時 (C)森山大道/東京工芸大学 写大ギャラリー所蔵
「アクシデント・12」10.21(C)森山大道/東京工芸大学 写大ギャラリー所蔵
「アクシデント・12」10.21(C)森山大道/東京工芸大学 写大ギャラリー所蔵
「アクシデント・4」死角 (C)森山大道/東京工芸大学 写大ギャラリー所蔵
「アクシデント・4」死角 (C)森山大道/東京工芸大学 写大ギャラリー所蔵

 東京・中野の東京工芸大学芸術学部写大ギャラリーでは、写大ギャラリー所蔵のヴィンテージ・プリントによる森山大道写真展「アクシデント」が開催中だ。ヴィンテージ・プリントとは、写真家が撮影した当時に制作されたプリントを指し、作者の撮影時の意図をもっとも表すものとして、美術館等では特に重要なプリントとされている。

 1960年代から活躍を続ける森山大道は、現在ではニューヨーク、パリ、ロンドンなど、海外の美術館でも展覧会が開催され、世界各地で写真集が出版されるなど国際的にも評価が非常に高まっている。写大ギャラリーは、「にっぽん劇場写真帖」や「写真よさようなら」など1960年代から1970年代に制作された初期の代表的な作品のヴィンテージ・プリントを約1000点所蔵している。今回はこの収蔵作品の中から、1969年に「アサヒカメラ」で1年間にわたって掲載された「アクシデント」が展示されている

 「アクシデント」シリーズは、事故や事件など社会的でタイムリーな題材を扱いつつ、テレビ画面やポスターの複写といった手法が大胆に取り入れられている。写真の時代性や複製性を問う作品で、森山の初期の重要なシリーズとして近年高く評価されている。
 写大ギャラリーが収蔵する「アクシデント」のヴィンテージ・プリントは、「アサヒカメラ」に掲載された作品の他に、未掲載カットやトリミングが違うなどの作品も多数含まれている。これらも合わせたモノクロ写真約50点を展示することで、当時の森山の挑戦的な試みの全貌を知ることができるだろう。

■―写大ギャラリー所蔵ヴィンテージ・プリントによる― 森山大道写真展「アクシデント」
会場:写大ギャラリー(東京工芸大学・中野キャンパス内)
開催期間:2014年9月22日(月)~2014年10月26日(日)
開館:10時~20時
休館日:会期中無休
住所:東京都中野区本町2-4-7 芸術情報館2F
TEL:03-3372-1321(代表)