子どもにかかるお金のうち、最大の出費が大学進学だ。4年間の学費だけで400万円以上。入学前にきちんと計画を立て、親子ともども気持ちよく大学時代を過ごすためには、どうしたらいいのか。AERAムック「就職力で選ぶ大学2019」で、教育費に詳しい専門家に具体的なアドバイスを聞いた。

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 大学全入時代といわれるようになって久しいが、受験生を持つ親としては受験料や入学金、授業料が大きな負担になってくる。教育費に詳しいファイナンシャル・プランナーの畠中雅子さんは、こう話す。

「まず、子どもに絶対に言ってはならないのは、『お金は何とかするから、あなたは受験勉強だけしていなさい』という言葉。その時何とかしても、将来返済できず破たんしては意味がありません。高校生ともなれば親の経済力や教育費に関心を持つのは当たり前です。特に大学進学は親と子がお金について考える格好の機会なのです」

■大学の8割が私立。早めの学費対策を

 実際に4年間でいくらかかるのか。私立大学の場合、文系なら約400万円、理工系なら約560万円。卒業に6年かかる医学部・歯学部となると3000万円超にもなる。

 親としては学費の安い国公立大学に進んでほしいところだが、国立大学は86校、公立大学は90校しかない。両方あわせても大学全体の22・6%に過ぎず、私立大(604校)が8割を占める(文部科学省「平成29年度学校基本調査」から)。

 やはり私立大が進学先となる場合が大多数なので、私立大を基準に、いくらかかるか、どう工面するかを考え、早め早めに手を打つのが得策といえる。

「子どもが大学生まで成長するということは、親は定年が見えてくる年齢になります。つまり子どもの教育費と、自分たちの老後資金とのバランスを上手にとることが大事になります」と畠中さんは話す。

■受験回数が増えてその費用も急増

 では、親は具体的にどうしたらいいのか。まずは入試にかかる費用を見ていこう。

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併願させすぎて、気づいたら50万円