まもなく行われるオススメのライヴについて、インタビューをまじえて紹介する新連載「LOVE YOU LIVE!」。その第1回は「Ghana Presents 松任谷由実 TIME MACHINE TOUR ~Traveling through 45 years~」とユーミンがほぼ初めて参加する夏フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018」。それぞれの見どころは――。
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4月24日、松任谷由実の3枚組ベストアルバム『ユーミンからの、恋のうた。』が発売週で10万8000枚を売り上げ、週間売上枚数1位になった。アルバムでの1位獲得は24枚目。これは日本のソロアーティストの最多記録だ。
「本当にうれしいです! 1人でも多くの人に聴いていただき、日本のポップスのスタンダードを上書きしたいと思っています」
こう語ったユーミンが自ら提案し、9月に盛岡からスタートするのがタイムマシンツアー。14会場29公演すべて1万人前後のアリーナだ。
「今までのツアーの印象的なシーンの再現を考えています。CDにベスト盤があるように、ツアーにもベスト的なものがあったら楽しいかなと。タイムマシンは1960年のアメリカ映画『タイム・マシン 80万年後の世界へ』のイメージです。時をさかのぼり記憶に強く残っている場面の数々をお見せします」
とは、総合プロデューサーの松任谷正隆。ユーミンのツアーでは本物の象をステージに登場させたり、看護師のコスプレで客席から登場したり、サーカスやシンクロナイズドスイミングとコラボレーションしたり、大エンタテインメントを展開してきた。
音楽は歌や演奏そのものを楽しむだけではない。その曲を聴いたとき、そのライヴを観たときの自分がよみがえる。ユーミンのステージを観て、学生時代の自分、仕事で頑張りあるいは屈辱にまみれていた自分、失恋した自分……などがよみがえるはず。ユーミンのライヴによって過去の自分と再会できる。
「成功したツアーもあれば、悔しい思いをしたツアーもあります。由実さんにはパーソナルな世界観の作品が多い。文学のようなね。でも、今回のツアーではエンタテインメントとして楽しんでほしい。なので、ステージを客席のセンターにつくって、2月に苗場のリゾートコンサートで試したフリフラ(無線制御型ペンライト。リストバンド型もある)はやろうと思っています。音楽と連動してステージを囲むように無数の光が揺れるようにしたい」(松任谷正隆氏)