総合サポートユニオンの池田一慶さんは事業場外みなし労働制の危険性についてこう指摘する。
「みなし労働制に組み込まれている人は、本当に制度の対象なのか、あるいは労働時間と賃金が見合っているのかを確かめていない人が多い」
状況は刻一刻と変化している。4月27日には同組合がジャパンビバレッジ本社への申し入れに加え、親会社であるサントリー食品インターナショナルにも申し入れをした。5月3日には、1日限りの全面ストライキも実施した。
参加者の一人は「全国からストへの支持があった。(労働者が会社に対して)こういう活動ができると見せることができた」とストへの手応えを語った。
社員らは4日以降も順法闘争を継続している。
今回の争点の一つである未払い残業代について、ジャパンビバレッジホールディングス総務部に取材すると、書面で「未払い残業代があったとは認識しておりませんが、労働基準監督署のご指導に従って調査をし、これに基づいて適切に計算し、時間外手当相当額を支払うことにした」と回答した。また、休憩時間が適切に取得されていたかどうかについては「社員に対して休憩取得の指導を行っているため、休憩がとれていないという認識はない」と回答し、両者の主張は真っ向から対立している。
日本自動販売システム機械工業会の発表によると、日本全国に設置されている飲料自販機の台数は240万台を超えるという。数分歩けば飲み物を買うことができるのも納得の台数だ。しかし、便利さの裏側にある過重労働を思うと、どうにも喉を潤せないでいる。(AERA dot. 編集部・福井しほ)