橋下徹大阪市長(43)率いる新党「日本維新の会」に参加したため、自民党へ離党届を提出した松浪健太衆院議員(41)は、異様な盛り上がりをみせる古巣の総裁選を横目に、かつての同僚議員にこうぼやいた。

「石原伸晃が自民党総裁になれば、橋下さんは楽勝だ。石破茂がなっても、党首討論で橋下さんが彼の隣に座った瞬間に勝負はつく。いちばんやっかいなのは安倍晋三さんだろうね……」

 安倍氏といえば、維新の幹事長・松井一郎大阪府知事(48)ら執行部が新党結成前に、三顧の礼をもって中核議員としての合流をひそかに打診したが、断られた経緯がある。

 松浪議員の危惧を維新関係者が解説する。

「安倍氏が総裁になれば、維新は次の衆院選挙で政権与党に返り咲くであろう自民党を攻めにくくなる。かつて三顧の礼で迎えようとした人を公衆の面前で罵倒できないから、橋下氏の得意技である"口撃"は本領を発揮できなくなる。下手すれば、"自民党の2軍"として埋没しかねない」

※週刊朝日 2012年10月5日号