衆院予算委員会の証人喚問で証言する佐川宣寿・前財務省理財局長(撮影・西岡千史)
衆院予算委員会の証人喚問で証言する佐川宣寿・前財務省理財局長(撮影・西岡千史)
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村上誠一郎衆院議員 (c)朝日新聞社
村上誠一郎衆院議員 (c)朝日新聞社

 森友学園の国有地売却をめぐり公文書が改ざんされた問題で、佐川宣寿・前財務省理財局長(前国税庁長官)は27日、衆参の予算委員会の証人喚問で証言した。

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 ほとんど何も語らないに等しい証人喚問後、取材に応じた自民党の村上誠一郎衆院議員は、安倍政権について「大所高所の判断をする時期にきた」と、予算成立後の内閣総辞職を求めた。

 また、森友学園問題に限らず、加計学園問題や南スーダンの日報隠し問題についても言及し「安倍さんの“心の友”や後継者にしようとした人たちを仕事で優遇して、問題が起こった」と批判。その結果、財務省や防衛省、文科省など役所に責任が押しつけられているとの認識を示した。

 今年秋には自民党の総裁選が予定されているが「安倍3選はない」と断言。「政治や行政にはジャスティス(正義)がなければならない。正義がなければ世の中が闇になる」と語った。

 村上議員の語ったおもな内容は、以下のとおり。

*  *  *

 安倍首相も麻生財務相も、竹下(登・元首相)さんが予算通過と引き換えに退陣をしたように、大所高所の判断する時期にきた。

 これ以上長引けば、政治や行政に対する国民の不振がさらにつのる。そして、官僚たちに物理的なしわ寄せがいく。これ以上、あらゆる意味で犠牲者を出してはいけない。

 みんな原点に帰ってほしい。森友学園問題、加計学園問題、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)の日報問題にしても、すべて安倍首相の心の友や後継者にしようとした人たちを人事や仕事で優遇したことで、問題が起きた。ところが、問題が起きると「財務省が悪い」「防衛省が悪い」「文科省が悪い」となる。そもそも、身から出たサビの問題に対して、最高責任者が責任をとらないのが最大の問題だ。

 今まで築き上げられてきた大蔵省や財務省の権威が失墜して、もはや取り返しがつかない事態だ。私が大蔵委員長をやっていた頃、大蔵省の接待疑惑があった。だが、今回の事件は全然次元が異なる。

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