資金管理団体「陸山会」の土地取引を巡って政治資金規正法違反の罪で強制起訴され、一審で無罪判決を受けた「国民の生活が第一」の小沢一郎代表(70)の控訴審第1回公判が9月26日、東京高裁(小川正持裁判長)で開かれる。またあの茶番である。
指定弁護士側に特段、新たな証拠はなく、1回で結審すると見られているのは、新聞・テレビで報じられているとおりだ。
その上、今回、指定弁護士側の聴取に応じた元秘書の一人は、1980年から2000年まで秘書を務めた、"元側近"高橋嘉信元衆院議員(59)だという。
高橋氏は小沢事務所の「金庫番」として知られ、00年の総選挙で当時の自由党から立候補して初当選を果たした。だが、後に袂をわかち、小沢批判の急先鋒(きゅうせんぽう)となった。陸山会事件で政治資金規正法違反罪(虚偽記載)で有罪判決を受けた会計責任者・大久保隆規元秘書(50=控訴中)の前任者でもある。高橋氏の近況を知る永田町関係者が言う。
「一昨年、政界引退を表明してからは体調を崩しましたが、小沢さんによほど恨みがあるのか、ほかの元秘書らに連絡しては『小沢を裏切れ』と説得しているようです。週刊文春で、小沢氏の妻の"離縁状"が報じられた際は、うれしそうに『これで小沢も終わりだ』と電話をあちこちにかけていたと聞く。そんな人物が証言したところで、どんな信用性があるのか」
検察関係者も首をひねる。
「そもそも、検察が小沢氏を巡る一連の事件の入り口として事情聴取したのが高橋さんだった。控訴審で、また入り口に戻ってくるとは......。苦しまざれ、としか言いようがない」
※週刊朝日 2012年10月5日号