リスク資産の割合は、一般的に年齢を重ねるごとに徐々に割合を減らしていくのがセオリーです。タイミングを見計らって、リスク資産を少しずつ利益確定し、預貯金や個人向け国債など元本割れしない運用商品に預け替えていくとよいでしょう。利益確定とは、購入した金融商品が買ったときよりも値上がりしたところで売却し、現実に利益を確定することを意味します。

 リスク資産の「売り時」は、価格が変動する中で自分の判断で見極めなければいけません。「頭と尻尾はくれてやれ」という相場格言があります。底値(尻尾)で買って、天井(頭)で売るのをずっと続けるのは、プロの投資家でも不可能です。欲を出しすぎず、ほどよい利益でよしとしましょう。

◎深野康彦(ふかの・やすひこ)
ファイナンシャルプランナー。さまざまなメディアやセミナーを通じて、家計、年金、住宅ローン、資産運用などの取材協力、相談業務をおこなう

(文/上田千春)

※週刊朝日ムック「定年後のお金と住まい2018」から