食道がん手術件数の病院ランキング 1位~10位 ※2017年3月「大阪府立成人病センター」から名称変更・移転
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食道がん手術件数の病院ランキング 11位~19位
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食道がん手術件数の病院ランキング 21位~30位
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食道がん手術件数の病院ランキング 32位~37位
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 きちんと治してくれる「いい病院」に出合いたい――。自分や家族が病気で手術を受けることになったとき、多くの人はそういう思いを抱くことでしょう。2月27日発売の週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2018』では、全国の病院の年間手術数を独自調査し、手術数が多い上位病院をランキング形式で掲載しています。手術数だけが病院選びの指標ではありませんが、多くの指標を考慮するにしても、参考にしたい客観的指標の一つです。手術を多く実施していれば、それだけ難しい症例やトラブル対応も経験していると考えられます。別の見方をすれば、手術数は患者から命を託された数ともいえます。

【図表】最新・食道がん手術件数ランキング、続きはこちら】

 最新データである2016年1年間の手術数の調査結果から、ここでは「食道がん手術」の全国トップ40を解説記事とともに紹介します。

* * *
 新たに食道がんと診断される患者は年間約2万3千人で、うち約8割が50歳以上の男性。年間死亡者数は約1万2千人にのぼる。
 
 同じ消化器の胃がんや大腸がんの5年生存率が60~70%なのに対し、食道がんは30~40%と低く、難治がんの代表ともいわれている。

 その理由として食道の周囲には血管やリンパ管が多く、がんが広範囲に転移しやすいという点がある。

 食道がんの手術は、消化器手術の中でも特に難度が高い。

「胃や大腸は腹部ですが、食道は胸が中心の手術。規模も術式も大きく違います。普段からやり慣れていないと、術後合併症などさまざまなトラブルが起きやすい。この点から、食道がん手術は数の多さがいい病院の必要条件といえるでしょう」

 と、東京医科歯科大学病院の中島康晃医師は言う。

 昭和大学病院の村上雅彦医師も同じ見解だ。

 両医師とも目安として、「週1件以上、手術をおこなっていること」と共通している。1年を52週とすると、年間50件前後になる。

 ランキングには胸腔鏡手術の数も掲載している。この数が多い病院は胸腔鏡手術が得意な医師がいるとみていい。

 胸腔鏡手術は傷口が小さく、術後の回復が早いなどのメリットがいわれている。現在、開胸手術と比較し、治療成績や合併症の発症率に差があるかどうかを検討する臨床試験がおこなわれている。

◎村上雅彦医師/昭和大学病院 消化器・一般外科診療科長

◎中島康晃医師/東京医科歯科大学病院 食道外科科長