いまでこそ市民権を得た鉄道趣味だが、広田さんのキャリアの中では「受難」の時期があったこともトークショーで明かされた。広田さんが鉄道写真を始めた1960年代、鉄道趣味は子どものものとされ、大人が鉄道趣味を公言するのははばかられる風潮が強かったという。カメラ雑誌の編集者から「鉄道なんてやりたくない」と言われたこともある。そんな雰囲気を変えてくれたのは「タモリさんです」と広田さんは言う。

「タモリさんのおかげで、鉄道を好きだと堂々と言えるような風土ができました。感謝していますよ」

 写真展「Fの時代」は3月31日まで開かれる。(アエラムック教育編集部・福井洋平)

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