「きっかけは、街を歩いていた時に、ラファエルさんという有名なユーチューバーに声をかけられて、それで話を聞いたら、え?っそんなに稼げるのってなって」

 その時の出会いにより、森脇さんはユーチューバーとしての活動を始める。この半年間で、「自身の知名度調査」と称し渋谷で若者に質問したり、猿岩石の名曲「白い雲のように」をカラオケのアカペラで採点、さらにはオーディションで相方を募り、実家の広島までヒッチハイクしながら帰る旅など、多くの企画を敢行してきた。

「でも、あくまでも本業ではなくて、生活の糧のためにやっているんですよ。正直、役者だけだとまだ食べていけないので。それにいつ、どこで、何をやってもいいというセルフプロデュースのスタイルが気にいってるんです」

 ユーチューバーを開始した当初よりは、減ってきたというが、現在もチャンネル登録者は6万人後半台を維持している。HIKAKINさん(チャンネル登録535万人)やラファエルさん(160万人)には、まだまだ及ばないが、当面の目標は10万人で、最終的には100万人を目指すという。

 ヒッチハイク後、芸人、実業家、サラリーマン、そして、ユーチューバーや役者として活動の場を移り替えてきた森脇さん。ヒッチハイクによって、その後の人生の酸いも甘いも経験してきたはずだ。

「今振り返ると、ヒッチハイクをして良かったです。多分、20年前に戻っても、やっていましたよ、というかあの時は、他に選択肢はなかったので」

(文・新津勇樹)