広島に敗れ、帽子を脱ぐ巨人の高橋監督 (c)朝日新聞社
広島に敗れ、帽子を脱ぐ巨人の高橋監督 (c)朝日新聞社

 毎年12月に発表される「今年の漢字」。その年に起きた様々な出来事や世相が反映される。では、プロ野球界ではどうだろうか。セ・パ12球団別に、長かったペナントレースを総括し、印象に残ったシーンなども加味し、あえて「一文字」で表してみよう。今回はセ・リーグ編だ。

■広島 『連』

 開幕前には黒田博樹引退の影響が不安視されたが、開幕2戦目から1分けを挟んで10“連”勝を飾ってスタートダッシュを決めると、その後も若手投手陣の成長と、さらにパワーアップした強力打線で白星を積み重ねて首位を快走。クライマックスシリーズ(CS)では苦杯を舐めたが、レギュラーシーズンでは投打の噛み合った盤石の試合運びで、球団37年ぶりとなる“連”覇を果たした。

阪神 『継』

 首位・広島には10ゲーム差を付けられたが、昨季の4位から2位へと順位を上げた。その原動力となったのが、自慢の中“継”ぎ陣。桑原謙太朗、マテオ、岩崎優、高橋聡文の計4人が抜群の安定感で60試合以上に登板を果たし、守護神・ドリスへと繋げた。その一方で、先発陣や打線には課題あり。金本知憲監督による「超変革」は、来季以降も“継”続しなければならない

■DeNA 『昇』

 スタートダッシュに失敗するも、徐々に調子を上げると、シーズン終盤に勝負強さを見せて2年連続Aクラス入り。上“昇”気流に乗って乗り込んだCSでは阪神、広島を連続撃破して19年ぶりの日本シリーズ進出を果たした。投打に上積みがあった中、新たなエースとなったのが2年目で11勝を挙げた今永“昇”太。左腕王国誕生の予感を漂わせた。

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