これは血管壁にとって「異物の侵入」とみなされ、血液成分による免疫システムが働いて攻撃を加えます。やがて、血管壁の中には攻撃による残骸(プラーク)がたまり、膨れ上がって、血管を狭くしてしまいます。

 膨れ上がったプラークははじけることがあり、その傷を修復するために、血小板が集まり血液の塊である血栓をつくります。するとますます血液が流れる部分が狭くなります。この血栓が何重にも重なったり、別の場所でできた血栓がはがれて流れてきたりすると、血管が詰まってしまうのです。

 心臓から出たばかりのところに位置する大動脈では、また違った老化が進んでいます。

 主に血管がカーブした箇所では、曲がった部分に常に強い圧力がかかり続けることで血管壁が傷み、血管が膨れてコブをつくります。これが大動脈瘤で、破裂すると急死することも少なくありません。

 また、内膜の傷から穴が開き、心臓から出たばかりの勢いのある血流が入り込んで中膜に流れ込み、中膜が解離することがあります。これが大動脈解離です。

 いずれも動脈硬化が進んだ血管に発症しやすく、自覚症状がないため突然死が起こりやすい病気です。コブや内膜といった血管壁の異常を検査で早めに見つけること
はもちろんですが、それ以前に血管を強くして予防することが大切です。

(取材・文/近藤昭彦)

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