逆に、呪いがかかった鳥居というものもある。今も羽田空港の一角にひっそりと立つ鳥居だ。この鳥居、元々は少し離れた場所にある穴守稲荷神社の大鳥居だったのだが、第二次世界大戦後、移転しようとする度に事故が立て続けに起こり、ずっと撤去でずにいた。平成11年にようやく今の場所にお移りいただけたのだが、現在の地も空港の敷地内である。この場合、神域はどちら側かよくわからない。
最近ではほとんど聞かなくなった言葉に「鳥居を越す」というものがある。辞書によれば「経験を積むこと、老獪になること」を意味するのだが、狐が何度も鳥居を飛び越すことで稲荷大明神になれると考えられていたことからきたのだそうだ。狐でも神さまになれるのなら、われわれ人間も鳥居をくぐることで少しは神さまに近づけるのだろうか?(文・写真:『東京のパワースポットを歩く』・鈴子)