アスリート体型のニトリと、肥満気味の大塚家具(イラスト:YAGI)
アスリート体型のニトリと、肥満気味の大塚家具(イラスト:YAGI)
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「ホワイト」と呼ばれる企業であれば、働いてみたいと思うのも当然だ。しかし、従業員が働きやすい会社だからといって、「将来も安全な会社」であり続けるとは限らない。別の側面から見れば、意外な弱点を抱えている会社も少なくないのだ。

 その弱点は、決算書のある数値を読めば見えてくるのだという。『100分でわかる! 決算書「分析」超入門2018』の著者であり、グロービス経営大学院教授(ファイナンス担当)を務める佐伯良隆氏に、決算書の数字に表れる“危険なサイン”について伺った。

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■貯金に精を出している会社は注意!

「そもそも給料が高いということは、それだけ利益が潤沢であることが多い。こうした会社は『お金がたくさんあるから安心』と思われがちですが、実は長期的なスパンで見ると危険な場合もあります。特に『利益を現金としてため込んでいたり、事業に直接関係ない金融商品ばかり購入して、事業投資に消極的な会社』は、要注意です」

 ここでいう「現金」とは貸借対照表の資産の部にある「現預金」のことだ。最近なにかと話題の「内部留保」の一部でもある。

 感覚的には、貯金は多ければ多いほど安全性は高まる気がするが、なぜ要注意なのだろうか?

「確かに現預金が潤沢であれば、直近の安全性は高いでしょう。ただ注意したいのは、“貯金がたくさんあってもお金は生みだされない”ということ。事業で得た利益を投資に回すのか、蓄えるのかで、将来的に得られる利益に大きな差が生まれてしまうのです」

 佐伯氏は、「人のカラダに例えるなら、現金や在庫は『脂肪』で、店舗や工場などは『筋肉』」と話す。投資を積極的に行い、店舗や工場(筋肉)を増やせば、それだけ会社の事業(運動量)は向上していくが、現金(脂肪)がたくさんあっても何も生みだされない。さらに今は利益が出ていても、将来的には筋トレをしている会社に負けることなる。

 貯金があれば安心という感覚は、人間の寿命がある程度想定されるからだろう。無理に投資しなくても、残りの寿命の生活費をまかなえる貯蓄があれば、それで安心と考えるのは自然だ。

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