1人になってから「放送禁止」っていう単独ライブを始めて、今年で10回目になります。放送作家の鈴木おさむさんに「これをやっとくと竹山くんも強くなるし、芸人としてずっと生きられる」って言われて始めたんです。最初はその言葉の意味がわからなかったし、チケットも全然売れなくて…。そのためにツイッターも始めました。
ライブは毎年テーマを決めて、2時間弱の間、僕が1人で喋り続けます。場面転換にお芝居をしてもらったり、ゲストを呼んだりしたこともありましたが、基本は1人。僕の相方は永遠にいないので。内容はお客さんにも「門外不出」にしてもらっているので、ライブの存在を知らない人も多いかもしれません。でもありがたいことに、放送禁止ファンができて、普段は落語を見に行くようなオジサンたちがじっくり話を聞いてくれる。「最高のお客さんを持ってる」って、褒められることもよくありますね。
普通はトークライブってその場でワーッと喋るものですけど、僕のは1カ月前から夜は稽古をしています。細かいところも作り込んで、音も1000人のうち2人ぐらいが「だからこの曲かけたんだ!」ってニヤニヤってくれたら大成功っていうぐらい。お芝居を見たときのように「こことここがつながるのね」って楽しんでもらいたい。
いまになって、鈴木おさむさんの「芸人として強くなる」って言葉が、本当にそうだなと思う。ライブが僕の芸人としての肝ですね。これがあるから1年間、テレビで働ける。ワイドショーに出たり、役者をやったり、難しそうな番組で偉そうな顔して出たりすることもあって、「大したことやらねえ」とか「芸もねえじゃねえか」って言われても、僕にとっては関係ないんですよ。叩かれようが何言われようが、なんとも思わないのはライブがあるからだと思います。
ライブっていう基本をやり続けてきたから、自分の中では方向は変わってない。それやってなかったら、この10年芸人やってこれなかったと思う。