館内には俺みたいなやつがちょいちょいいましたけど。穿った見方だけど、田舎にあるそういう場所を調べて回るのがすっごい面白いですね。
いわき市小名浜にある「いわきマリンタワー」も大して高くないし、錆びてて、屋上まで階段を登ったところで何もないっていう……。これ、多分バブルのときに建てたでしょ?
あとは突如として現れる大仏ですよね。あれには牛久大仏みたいに霊園が建てたやつと、バブルのときに金持ちが建てたやつの2パターンある。日本のどこでもそうですけど、超金持ちの人って必ず寺を建立しようとしますよね。昔の将軍みたいに。金銀の宝飾を使って建てた後、バブル崩壊で会社が潰れたりして、大仏だけがぽつんと残っている。取り壊しにも金がかかるからね。
これは北陸ですけど、会津にあるレジャー施設と大仏(旧「ユートピア加賀の郷」)はいまも残っているけど、寂れてなかなかのものですね。そういうものを探す旅も面白い。
東京に住んでると温泉に行くにも箱根だ伊豆だって言うじゃないですか。道路を真逆に進むと、同じぐらいの距離でいいが温泉いっぱいあるんですよ。特に福島あたり行くとね。こっちのほうが空いててよかったな、こっちのほうが泉質がいいじゃんって思うこともある。
まだ外国人にバレてないから、箱根や伊豆より空いてるんですよ。泊まれるなら、仙台より先に行くのも面白いですよね。宿泊料金なんかも思っていたより高くない。
あとは、海沿いの景色を見たことがない人は見るといいですよ。ほとんど整地されて原っぱになってるんですけど、新しい家も建ってたりしています。いまは想像しかできないけど、ここにあった街とか村が全部無くなってんだなって考えると津波の恐ろしさを感じたりするし、そういうの一回見るのもいいと思いますよ。
まずは行ってみて、楽しむことですね。震災の慰霊にとか、そういう感じで行かないほうがいい。楽しんで金使うことが十分な支援になるんだから。それで気に入ったらもう一歩入ってみてほしい。人間の泥臭さが見えて、また別の面白さがります。
西日本の人にとっては、もしかしたら「東北の人って付き合いにくい」って思うかもしれないけど、初めだけなんですよ。一回打ち解けてくるとうるさいぐらいしゃべり始めますから。いい話も聞くし、汚ねえ話も聞く。人間っていろいろと揉めるんだなー、結局みんな一緒だなって結論になってきます。