相手が日本人の場合は、「お互いに分かり合える」前提があるので、この行動をとりすぎると人間関係に影響するかもしれません。相手が馬鹿にされていると感じる可能性があるからです。相手次第、状況次第ですが、限定的にとどめておくのがよいでしょう。

 しかし相手が外国人の場合は、「お互いに分かり合えない」前提に変わります。したがって、「いつもわかったと言ってわかってないじゃないか! 今日はわかったことを確認してやるぞ!」という上から目線的なニュアンスでなければ、この質問をしても基本的に問題ないのです。

「お互い分かり合えない」前提のもとでは、正しく理解し合うために、お互いが努力しなければいけません。

 伝える側は相手に「理解させる」責任があり、聞く側は相手を「理解する責任」があるのです。

 したがって、何が理解できたのかを確認する行動は相手を馬鹿にしている行動ではなく、適切な行動なのです。

 この行動をとり始めると、おそらく、伝えたことがうまく伝わっていないことをその場で発見することが多いと思います。そのときは、自分にフィードバックして自己表現力を高める努力をしてください。

 そして、努力を加速させ継続させるためにも、外国人の理解を確認するための質問を続けた方がよいです。

 一方、説明や対話の途中で外国人の相手から理解できなかったことを質問されたとき、「何を聞いているのだ!」「私が話したことを理解できないのか!」「つまらない質問をするな!」と感情的になってはいけません。

 目の前に自分の話を理解できない相手がいることは、日本人にとって、想定外なので、ついこのように感情的に反応してしまいがちですが、冷静に説明しなおす必要があります。

 感情的に対応することが続くと、相手は、わかってないことをわかったと言うようになっていき、冒頭の2つ目のケースが起きてしまうのです。

「はい、わかりました」を適切に疑うようにすれば、結果的に、冒頭の1つ目のケースが増えていくのでぜひ頑張ってください。

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