グローバル人材育成のトッププロであり、『世界のどんな職場でも評価される 無敵の働き方』(朝日新聞出版)の著者でもある篠崎正芳さんは、部下の「はい、わかりました!」には3種類あるから要注意だという。外国人が相手でも、確実に指示が伝わる秘訣を聞いてみた。
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アジアの拠点を訪問すると、特に、日本語ができる中国人や東南アジア人の社員に対して、日本人が、
「先週話したとき、『はい、わかりました』と言いましたよね!? でも全然わかってないじゃないですか! お願いしたことが全然できてないですよね!?」
と叱っている場面をよくみかけます。
彼らが「はい、わかりました」と答えたのは事実ですが、実は、この「はい、わかりました」には次の3つのケースがあります。
(1)本当に理解できているケース
(2)常日頃、日本人から「上から目線」でガミガミいわれている中で、感情的に受け入れられなくなり、早くその場から退散したいと感じているケース
(3)日本人から依頼されている「内容」はいまひとつわかりにくいが、「きっとこういうことだろう」と自分なりに解釈して、「はい、わかりました」と返事しているケース
3つ目のケースは、日本人と外国人との間で頻繁に起きています。日本人の期待内容と外国人の解釈にズレが起きているため、日本人が「えっ!?」と感じるアウトプットが出てきてしまうのです。
このようなことを防ぐためには、日本人が世界仕様の「自己表現力」を高め、期待内容を明確に伝えることができるようになるのが必要なのは言うまでもありません。
ただ、それには努力と時間を要しますので、途中の過程で別の行動をとりながら努力を加速させるのがよいです。
具体的には、「はい、わかりました」を聞いた後、
「わかったことをちょっと話してみてくれますか?」
「わかったことをホワイトボードにちょっとまとめてみてくれますか?」
と質問します。まさに、適切に疑う行動です。