「芸人で最も成功したのはご存じ、ピコ太郎こと古坂大魔王でしょう。『PPAP』は現在、1億2000万回以上再生されています。芸人やタレントでテレビに出て、成功できるのはほんの一部です。一発当てた芸人たちは、検索される可能性も高く、また、波田陽区のように、“あの人は今”的な扱いで発掘され、テレビ出演のチャンスが巡ってくることもある。テレビに出演できない状態に手をこまねいているのではなく、積極的にネット上で発信し、世間の人たちから発掘されることが大事だということです」(民放バラエティー番組ディレクター)

 最近ではYouTubeのほかにも発信のチャンネルが増えている。お笑い芸人やグラビアアイドルたちが、今もっとも注目しているのはサイバーエージェントが運営する動画番組配信サイト「AbemaTV」だ。

「今、芸人さんの撮影現場にいくと、ほとんどの芸人が携帯ニュースでAbemaTVの様子をチェックしている。出演ギャラは少ないそうですが、テレビに出ているような有名な芸能人でも暇を見つけては出演したいと話いていますね。やっぱり自分で企画・制作するYouTubeやニコニコ動画よりも、テレビ制作現場のスタッフや放送作家がしっかり入っている動画番組配信サイトのほうが、よりテレビ番組に近いのもあり、演者も安心して出られるようです」(同)

 AbemaTVは、開設初年度(2016年)は大赤字だったという報道もあったが、新しいサービスが最初から黒字になる例は少ない。そうした投資が、とりあえずは出演者側にはプラスになっているのであれば、制作側や視聴者もなんらかの期待感を持ってしまう話だ。

「現状では、テレビとウェブの両方を行き来できるタレントが一番いい。その点でうまいのは、渡辺直美やロンドンブーツ1号2号の田村淳、キングコングの西野亮廣などです。彼らは、普段からツイッターなどで一般人と交流しており、ウェブの生放送という状況にうまく対応できるスキルがありますらね。一方、ゲーム実況番組などで、倉持由香などのオタク要素をもったグラドルも活躍している」(前出のウェブメディア編集者)

 人気グループから卒業してもなお、タレントとして、クリエイターとしてたくましく生きる彼女たち。先達の偉業を勉強しながら、さらに活躍を広げてほしいものだ。(ライター・黒崎さとし)