「共謀罪」を改め、「テロ等準備罪」を新設する法案の審議をめぐって、民進党が「強引すぎる」と提出した参議院法務委員会の委員長解任決議案は7日、圧倒的多数を持つ与党にアッサリと否決され、安倍政権は今国会での成立を目指す。元SEALDsの諏訪原健君は、自分が独裁者ならこの法案をどう使うか、などと妄想してみるが……。
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ある日の講演に向かう電車の車中、混んでいて、持ってきた本を開くだけのスペースもない。退屈しのぎに、自分が独裁者だったら、「テロ等準備罪」をどんなふうに利用するだろうかなんて、くだらない妄想をしてみる。
とりあえず政府に対して堂々と抗議行動をするような人たちはうっとうしい。大した力もない国民のくせに、政府に逆らうなんて身の程知らずだ。
「テロ等準備罪」を使って、市民運動をつぶすことにしよう。
最近の市民運動にはいろんなバックグラウンドを持った人がいて、意外と誰でも参加できるらしい。とりあえず手下を送り込んで、いろいろと調べさせるのがいいだろう。抗議行動や集会に何度か参加してもらって、後はLINEグループやメーリングリストに入れてもらえれば準備完了だ。
後は少々無理をしても「テロ等準備罪」にひっかかりそうな案件を探してもらう。もし見つからなかったら、手下に命令して、共謀している証拠を作り上げてもらえばいい。「テロ等準備罪」には「自首減免」(自首したことにより、刑の軽減・免除を受けること)という規定があるから、手下に自首させて、みんなまとめて捕まえた上で、手下の罪は免除してあげればいい。実に簡単なことだ。
そんなことをしたら、さすがに「でっちあげ」とか「不当逮捕」とか言い出す人がいるかもいるかもしれない。でも世間は彼らに同情しないだろう。「テロ等準備罪」というネーミングが浸透しているから、危険な人間を捕まえてくれて良かったと、大多数の「一般人」は喜ぶに決まっている。そして悪いことをしておきながら、「でっちあげ」なんて言っているような人間には、絶対に関わってはいけないと強く思うはずだ。