●相撲の神さまにも奉納相撲
このような歴史を持つだけに、初代横綱・明石志賀之助が実在する人物なのかを含め、横綱の初代は誰なのかについては長年議論されている。そんな中、「横綱力士碑」を作る際の寄進集めに奔走した陣幕久五郎が、最初に用意した資料が元になった歴代横綱一覧は、公式の数字として現在も使用されているのである。
現在、「横綱力士碑」の裏面には横綱名が刻みきれず、副碑が作られている。同様の碑が、東京・墨田区の野見宿禰(のみのすくね)神社の境内にもあり、こちらも2つ目の碑になっている。稀勢の里関が、東京の本場所前に野見宿禰神社にも土俵入りを奉納したことは記憶に新しい。
●白蛇さまが出没する弁天も
昨今の相撲ブームのせいか、江戸時代から名の知れたお宮である富岡八幡宮の人気も一際高くなった。
2017年の「深川八幡祭り」は3年に一度の本祭りの年。都内随一と言われる千貫御輿(みこし)を持つお宮の祭りは、54基の大御輿を含めて120数基の町御輿が宮前に集結する。江戸時代から続くその人気ぶりは、あまりの人出の多さから永代橋が落ちたという伝説を持つくらいである。
加えて白蛇との遭遇で話題となっている、地主神の七渡弁天もここ数年メディアなどで高い注目を浴び、東京以外からの参拝者も多いと聞く。弁天さまの例祭も来週に控えてもいるなど、富岡八幡宮は夏に向けて目が離せないお宮である。(文・写真:『東京のパワースポットを歩く』・鈴子)