本業のお笑いだけでなく、「白熱ライブ ビビット」や「アッコにおまかせ!」などお昼のワイドショーに欠かせない顔になった。カンニング竹山さんが考えるワイドショーのお作法とは?
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ワイドショーに出てみませんかって声をかけてもらったのが40歳を過ぎてから。テレビ局のほうにちょっと浅はかな考えもあったと思うんですよね。視聴率が取れなくなってきて、バラエティー番組に出ているタレントとかお笑い芸人を出せば、その番組を見る視聴者層も取り込めるんじゃないかって。テレビも変わってきたなと思う。
当時、情報番組はあんまりお笑いが進出していないジャンルだったんで、やってみたら面白いこと見つけられるんじゃないかって最初は期待もあったんですよ。以前、役者業をやらせてもらったときも、バラエティ番組に戻ってくると、みんなが「役者がどうだ」っていじるわけですよ。「役者じゃねーよ」とか、そういうやり取りも面白いなと思っていたんですよね。それと同じようにワイドショーの笑いの取り方が何かあるんじゃなかろうかと思っていた。
答えはどうかっていうとね、ワイドショーに笑いなんて無いんですよ! 理由は、生放送で余計なことを喋る時間がないから。常に僕らの目の前のフロアから「これカットします」、「あれカットします」、「残り1分半です」って指示が出ていて、MCじゃない限りは自由に発言できない。だからよくあるのは「◯◯さん、どう思いますか」って話を振られて、「これはこうですね」と答えるパターン。
テレビをずっと見てると面白いのはね、新しく出てきた評論家やコメンテーターでも、話が長い人はしばらくすると出なくなるんですよ。短くしゃべる技術も必要なんですよね。そこで、芸人がどうやって笑いを取っていくかっていうと、千原ジュニアさんみたいにコメントでボケていく方法もある。でも、自分の意見が必要なときもあって、真面目過ぎちゃうと「お前芸人のくせに笑い取れよ」ってなる。どう転んでも文句は言われるんですよ。