
1対2。アメリカに敗れ、日本のWBCの戦いは幕を閉じた。それでも大会は続き、休む間もなくプエルトリコとアメリカによる決勝戦が、現地時間3月22日(日本時間23日午前10時)に行われる。すでに日本の決勝進出を信じて有給休暇を申請した人もいることだろう。その方々のためにも、決勝戦の見どころを改めてまとめてみたい。
まずプエルトリコ。大会前の世界ランクは12位。難敵が揃った1次ラウンドから苦戦が予想されたが、開幕戦でベネズエラに11対0の7回コールド勝ちを収めて“衝撃発進”を決めると、第2戦もメキシコに9対4で打ち勝ち、第3戦はイタリアに9対3の完勝。その勢いは2次ラウンドでも続き、前回覇者のドミニカ共和国に3対1で競り勝つと、開催国のアメリカには6対5の1点差勝利。ベネズエラには再び13対2と完勝して6戦全勝で準決勝進出を決めた。迎えた準決勝のオランダ戦では、延長タイブレークの末に4対3で勝利して2大会連続の決勝進出を果たした。
チームの中心は正捕手のモリーナ(カージナルス)だ。8年連続ゴールデングラブ賞に輝いているメジャー屈指の捕手は、今大会でも守備の要として強烈なリーダーシップを発揮。ここまで打率.333、2本塁打とバットでも結果を残している。打線では4番・ベルトラン(アストロズ)が絶好調で、本塁打こそないが21打数10安打の打率.476をマーク。3番に入るコレア(アストロズ)も打率.400で3本塁打と好調をキープしている。
決勝の先発は、鋭いカーブが武器のルーゴ(メッツ)。昨季後半戦8試合で5勝を挙げ、今大会でも2次ラウンドのアメリカ戦(5回2/3、5安打3失点)を含む2試合11イニングを投げて防御率2.45で2勝をマークしている。そして何よりの強みは、チームの一体感にある。ベテラン、若手の垣根を越えて選手全員が髪の毛を金色に染め、オランダ戦で見せた中継プレーにも象徴されるように、選手間の連係もスムーズ。前回大会で準優勝に終わった悔しさを晴らすためにモチベーションは非常に高い。