もともとフォルランは、使われるタイプの選手であり、周囲のサポートがあってこそ輝くタイプだ。その後ろ盾を失ってしまっては活躍することは難しかった。加入1年目の2014年は26試合・7得点、J2でのプレーを強いられた2015年は、退団となる夏までに16試合・10得点と、数字上では決して批判されるものではなかったが、求められたものが大きかった分、失望感もまた大きかった。
フォルランだけでなく、過去に期待外れに終わった大物外国人は決して少なくない。その代表例が、93年から名古屋グランパスでプレーしたゲーリー・リネカー。鳴り物入りで加入した元イングランド代表は、在籍2年間でわずかに4ゴールしか挙げられず、“外れ助っ人”のレッテルを張られた最初の選手だった。
他にもベベット(鹿島)、ミューレル(柏)、イルハン・マンスズ(神戸)、パウロ・ワンチョペ(FC東京)、フレドリック・ユングベリ(清水)ら、数々の大物が日本のサッカーファンの期待を裏切った。ここで挙げた選手はいずれもFWの選手たち。絶対数が多いこともあるが、フォルランと同様に周囲との連携を上手く構築できなかったケースも、間違いなく存在している。
鋭いドリブルを備えるポドルスキは、単独で局面を打開でき、サイドアタッカーとしての能力も備えるが、本質的には中央に位置し、いわゆるストライカーとしてのプレーを得意とする。やはり、輝きを放つためには周囲のサポートは必要不可欠。神戸とすれば受け入れ態勢を整え、ポドルスキ側も、ある種のプライドを捨ててチームに歩み寄り、密なコミュニケーションを図れるかどうかが成功のカギとなる。それは一般社会と変わらないことだ。そうでなければ10億円とも言われる年俸が、水泡に帰すことになりかねない。(文・原山裕平)