絶対王者・吉田沙保理が敗れて、銀メダルとなった直後。新世代を担う選手が、まるでその敗戦を取り返すような素晴らしい結果をもたらした。現地時間18日のリオ五輪のレスリング女子63kg級で、初出場の川井梨紗子が金メダルを獲得したのだ。
今回が初の五輪となる川井だったが、初戦から落ち着いた試合運びをみせ、順調に勝ち上がる。準決勝にいたっては大技も決め、開始わずか2分10秒でテクニカルフォール勝ち。 試合を重ねるごとに調子を上げているように見えた。
川井はそのまま、決勝戦でも好調の波に乗る。決勝戦の相手、ベラルーシのマリア・ママシュクは体格的には川井を上回る選手だったが、まったく譲らない戦いをみせる。
試合序盤に相手の足を取り、開始30秒ほどで2点を先取。2-0とリードしたまま1ピリオドを終える。2ピリオドには相手の猛攻を受けるが、川井はこれをしっかりディフェンス。一方で自身は攻める姿勢を崩さず、果敢にタックルをしかけて2点を追加。残り10秒というところでは、相手の攻撃をかわし自らの得点につなげて、さらに2点を追加する。終わってみれば6-0。川井は相手に1点も与えることなく、金メダル獲得を決めた。
快挙の背景には、前日に金メダルを獲得していた48kg級の登坂絵莉、58kg級の伊調馨、69kg級の土性沙羅の存在があった。