西武新宿駅そば「ハイジア」の中に「しんじゅく多文化共生プラザ」がある
西武新宿駅そば「ハイジア」の中に「しんじゅく多文化共生プラザ」がある
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「多文化共生という取り組みにハマッています」と語る鍋島所長
「多文化共生という取り組みにハマッています」と語る鍋島所長

 いまや多国籍都市となった新宿区・歌舞伎町。そのど真ん中、大久保病院に隣接するビル「ハイジア」に「しんじゅく多文化共生プラザ」がある。

【外国人駆け込み寺を写真で紹介】

「新宿区では、外国人の在住者が増え続けています。それに伴い区では、共生に向けた取り組みが必要なのではと考えてきました。

 2003年度に実施した調査では、外国の文化、言語、食べ物についての評価は高く、外国人が増えることによる双方の『心配』や『不安』を取り除くことができれば、外国人が多いことを新宿区の積極的な特徴とみることができると報告されました。こうした中、2005年9月、しんじゅく多文化共生プラザがオープンしました」

 と語るのは、同プラザの所長である鍋島協太郎さん。開所当時は新宿区の人口のうち3万人が外国人だったという。それが2016年7月には約4万人にまで増加した。約33万人の住民のうち、11.8%が外国人で、東京都では最大だ。

 この数字は、韓国・朝鮮人の多い大阪市の生野区、ブラジル人の多い群馬県の大泉町に次いで、自治体としては3番目に高い比率だという。さまざまな国から人が流入してくるという意味では、新宿区は全国でも特異な場所かもしれない。

 プラザではさまざまな取り組みを行っているが、その基本となっているのが日本語学習だ。

「多文化共生のためには共通の言葉が基礎になります。お互い話ができることからコミュニケーションが始まりますし、人間関係がつくられていればトラブルを防げる場合もあると思います」(鍋島さん)

 区から委託された外郭団体によって、数多くの日本語教室が開催されている。はじめて日本語を勉強するコースはとりわけ大人気で、教室から人があふれることもあるという。

 文法を教えるのではなく、生活場面を想定した日常会話をボランティアの講師が参加者に合わせ、工夫して教える。参加費も1学期(約3カ月)週2回で4000円と格安だ。

 また、区と直接の関係はないが、ボランティアで日本語を教えているグループの紹介もしている。「プラザは、国際交流をしたい日本人と、外国人をつなぐ場でもあります」(鍋島さん)

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